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新型コロナ5類移行後の移動人口と交通モードの利用状況~高齢者の移動頻度は1年前から未回復
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子
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今年5月の大型連休後に新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが5類に変更され、人の移動が活発になっている。政府の統計システムによると、6月中旬以降、移動人口は全国ではコロナ前の水準を回復した。ただし、観光地が多い北海道や九州・沖縄ではコロナ前の水準を上回り、関東ではやや下回るなど、濃淡がある。
交通モードについては、コロナ禍以降、「公共交通からマイカーへ」とシフトする動きが見られたが、5類移行後に、目立った逆戻りの動きは見られなかった。消費者はコロナ禍3年の間に、自らに合った移動手段の利用が定着したものと考えられる。
一方、属性別の分析によって、70歳代では5類移行後も1年前に比べて移動頻度が回復していないことが分かった。70歳代の高齢者は、コロナ禍に入ってから外出頻度が低下し、昨年末時点でもコロナ前の水準を下回っていたが、依然このような状態が続いていると見られる。高齢者は、不活発が続くと心身機能が低下するため、活動再開が若い世代に比べて困難なためだと考えられる。今後も高齢者の状況については注視する必要があるだろう。
■目次
1――はじめに
2――移動人口の現状
3――交通モードの選択~公共交通とマイカーの利用頻度の推移
4――属性別にみた電車・バスとマイカーの利用頻度
1| 年代別の状況
2| 地域別の状況
3| 職業別の状況
5――終わりに
(2023年07月24日「基礎研レポート」)
03-3512-1821
- 【職歴】
2002年 読売新聞大阪本社入社
2017年 ニッセイ基礎研究所入社
【委員活動】
2023年度 「次世代自動車産業研究会」幹事
2023年度 日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員
2023年度~ 和歌山市「有吉佐和子文学賞」意見聴取員
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