2023年02月21日

成約事例で見る東京都心部のオフィス市場動向(2022年下期)-「オフィス拡張移転DI」の動向

佐久間 誠

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■要旨

本稿では、三幸エステートとニッセイ基礎研究所の共同研究の一部であるオフィス拡張移転DIを中心に、2022年下期の企業のオフィス移転動向を概観した。

東京のオフィス拡張移転DIを業種別・エリア別・ビルクラス別に分析することで、以下5点がわかった。

(1)オフィス拡張移転DIは、2021年第4四半期から上昇に転じ、2022年下期も改善基調を維持したが、依然としてコロナ禍前の水準に及ばず、第4四半期は改善ペースが鈍化した

(2)業種別では、「学術研究・専門/技術サービス業」や「その他サービス業」などがコロナ禍前の水準を回復する一方、「製造業」や「卸売業・小売業」などは回復の動きが鈍く、業種間で濃淡がみられる

(3)「情報通信業」は事業拡大ペースに見合ったオフィス需要が顕在化せず、テレワークの積極的な活用などによりオフィス床面積の拡大を抑制している可能性がある

(4)エリア別では、「新宿・四谷」や「西新宿」の順位が上昇した一方、大規模ビルが集積する「丸の内・大手町」の順位が低下した

(5)中小企業がオフィス拡張意欲を強めた一方、大企業は集約統合やオフィス床削減など縮小移転の姿勢を継続した可能性がある


■目次

はじめに
1――オフィス成約面積は3期連続でコロナ禍前の水準を上回る
2――オフィス拡張意欲が改善するなか、回復ペースは業種・エリア・ビルクラス間で濃淡も
  1|オフィス拡張移転DIは改善基調を維持
  2|オフィス拡張意欲の回復ペースは業種間で濃淡も
  3|「新宿・四谷」、「西新宿」は拡張移転意欲が高まる一方、「丸の内・大手町」は低下
  4| ビルクラス別拡張移転DIでは、Aクラスビルが低下する一方、Bクラスビルが上昇
3――おわりに
【参考資料】

(2023年02月21日「不動産投資レポート」)

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