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中国経済の見通し-2022年は前年比3.4%増、23年は同5.3%増、24年は同5.2%増と予想

三尾 幸吉郎
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- 2022年の中国経済は成長率目標「5.5%前後」を大幅に下回りそうだ。国家統計局が10月に公表した1-9月期の成長率は実質で前年同期比3.0%増だった。残る10-12月期はやや加速しそうだが、22年通期の成長率は実質で3%台にとどまるだろう。他方、消費者物価はエネルギー高にもかかわらず、消費低迷や豚肉下落を背景に2%の上昇にとどまった(下左図)。
- 22年(1-9月期)の成長率(3.0%)を需要項目別に分解して見ると、最終消費が+1.2ポイント、総資本形成(≒投資)が+0.8ポイント、純輸出が+1.0ポイント、それぞれプラス寄与していた。COVID-19の影響で内需(最終消費、総資本形成≒投資)の弱さが目立った一方、純輸出に関しては内需低迷で輸入が減ったこともあってむしろ堅調だった。
- 産業別に見ると、(1)COVID-19の影響をほとんど受けなかった産業(第1次産業、金融業、建築業)、(2)COVID-19の影響からなかなか抜け出せずにいる産業(交通・運輸・倉庫・郵便業、卸小売業、宿泊飲食業、製造業)、(3)COVID-19の影響とは別に成長の勢いが鈍化してきた産業(不動産業と情報通信・ソフトウェア・IT)の3つに大きく分かれた。
- 今後を予想する上でカギを握るポイントとしては、財政政策、金融政策、ゼロコロナ政策の3点が挙げられる。23年の財政政策は22年より積極化、金融政策はバブル抑制第一のスタンスを堅持、ゼロコロナ政策は手探りながら徐々に緩和に向い23年下半期にはウィズコロナ状態になると見ているが、23年春の全人代では首相交代が見込まれるため不透明な面もある。
- 2023年の実質成長率は前年比5.3%増と予想する。党大会という制約条件が無くなるため消費・民間投資が活性化すると見ているためだ。2024年は巡行速度(=大規模な政策支援なしで無理なく成長できる水準)での経済成長を見込み前年比5.2%増と予想する(下右表)。
(2022年11月25日「Weekly エコノミスト・レター」)
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