2022年02月14日

AIオンデマンド乗合タクシーの成功の秘訣(下)~全国30地域に展開するアイシン「チョイソコ」の事例から

生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任   坊 美生子

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■要旨

チョイソコ会員の中には、今でも認知症の人達が増えていると見られる。また豊明市のアンケートでは、チョイソコ導入後も依然、移動に不便や不安を感じている高齢者が計4割に上っている。高齢者の外出促進のために導入したチョイソコだが、さらなる高齢化がもたらす課題や、残された課題にも、引き続き対応していかなくてはならない。

今後、チョイソコには、乗客同士のコミュニティ形成に寄与する役割が期待される。対象を限定した乗合サービスで、乗客同士が顔見知りになりやすいからだ。例えば、チョイソコのイベント参加者同士が地域でボランティア活動を始めたり、元気な高齢者が、1人では乗降が難しい高齢者の介添えボランティアをしたりすることが考えられる。

アイシンの加藤氏もチョイソコの次のステップとして、「チョイソコを通じて、高齢者にGDPを上げる側に回ってもらいたい」と語り、高齢者が主役となるような様々な仕掛けを計画している。一方、豊明市の川島氏は、今でもチョイソコの仕組みの中に、高齢者が地域づくりの主体になる機会があると明かす。地区で停留所の位置を決める際、住民たちが集まって、移動に困っている人のためにどこが良いか、積極的に話し合って決めるからである。チョイソコには、「地域の役に立ちたい」と考えている高齢者たちに、活躍の舞台を提供する可能性がある。

■目次

・チョイソコに一人で乗り降りできない高齢者も増えている
・チョイソコの運行開始後も、市内には交通不便地域が残されている
・チョイソコで高齢者のコミュニティ形成を促す。高齢者が地域づくりの主体になるように仕掛ける

<対談参加者>

加藤博巳氏 株式会社アイシンビジネスプロモーション部長。1992年旧アイシン精機入社、Aisin Europe S.A.副社長などを歴任。イノベーションセンター部長を経て現職。2018年から「チョイソコ」事業を統括している。

川島康孝氏 豊明市経済建設部市街地整備課長。2001年採用。前職の行政経営部とよあけ創生推進室長の時に地域公共交通網形成計画を策定し、コミュニティバスの再編と合わせてチョイソコを導入。

早川佳介氏 豊明市行政経営部企画政策課施設・交通マネジメント係主事。2014年採用。総務課での選挙担当を経て、公共交通を担当。現在、地域公共交通計画を策定中

坊美生子(モデレーター) ニッセイ基礎研究所生活研究部准主任研究員。ジェロントロジー推進室兼任。高齢者の視点で移動支援、交通政策を研究。
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生活研究部   准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任

坊 美生子 (ぼう みおこ)

研究・専門分野
ジェロントロジー、交通政策・移動サービス、労働

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