2021年08月02日

コロナ禍で注目浴びる在籍型出向-高年齢者の安定した雇用確保のために活用を-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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■要旨
 
  • 新型コロナウイルスが長期化する中で在籍型出向が注目を浴びている。
     
  • 1980年代後半の在籍型出向は造船、鉄鋼、自動車など製造業同士で多く行われていたが、最近では、新型コロナウイルスの影響で需要が減少した航空やホテル業界等の従業員が、巣ごもり消費の増加で人手が足りない小売りや物流業界等へ出向するなど、異業種への在籍型出向が増えている。
     
  • 在籍型出向の代表的な支援制度として、(1)産業雇用安定助成金、(2)雇用調整助成金、(3)プロフェッショナル人材事業、(4)人材確保等促進税制 等が挙げられる。
     
  • 高年齢者を必要とする企業に高年齢者が柔軟に異動できる仕組みとして、在籍型出向を活用することも今後の70歳雇用を推進するのにおいて有効な方法ではないかと思われる。在籍型出向が今後の労働力の活用に有効に利用されることを望むところだ。


■目次

・在異業種への在籍型出向が増加
・在籍型出向は「業として行う」労働者供給ではない
・在籍型出向の支援制度
・結びに変えて
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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
労働経済学、社会保障論、日・韓における社会政策や経済の比較分析

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