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ニッポンの離婚はいつ起こっているのか?(1)-離婚統計2018年齢ゾーン考察
生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子
結婚の4組に1組が再婚者を含む「リスタート婚」時代
50歳時点で結婚歴がない人は、男性では4人に1人、女性では7人に1人という男女格差が生じている。このことについては、「再婚者の数が長期にわたり男性>女性」であるという状況から説明ができる(2018年5月:「初婚・再婚別にみた「年の差婚の今」(上)(下)」参照)。
人口動態的には、高齢者になるまでは1ほぼ男女人口が同数であることと、日本は1夫1妻制であることから、高齢者を除く男女の「独身者数」はほぼ同数となる。しかし、未婚者数はそのうちの「婚歴のない独身者」を指すため、再婚男性と初婚女性という組み合わせの婚姻が、その逆(女性のみ再婚の婚姻)を上回る状況が続くと、男性未婚者数>女性未婚者数となるのである。
視点を変えれば、同じ独身者ステータスであっても、日本においては常に女性のほうが男性よりも婚歴のある人が多く含まれる、ということになる。
そして、この「再婚者を含む婚姻」(再婚者同士+どちらかが再婚)の全婚姻に占める割合が、大きく増加してきていることがデータからはみてとれる(図表1、図表2)。
再婚者を含む婚姻は、1970年にはわずか11%(10組に1組)に過ぎなかったが、最新の2018年統計では27%2(4組に1組超)にまで増加してきている。
古くからある「(まれにしか起こらないので)離婚は世間体が悪い」といった価値観に疑問を投げかけるデータということもでき、時代的には「離婚が増えているというけれども、それがあってこその幸せをつかむ『リスタート婚』も増加している」という、前向きな離婚への解釈を促すものであるともいえるだろう。
1 男性のほうが女性よりも寿命が短いことから、70代以降は男女人口の大きな格差が生じ、男性<女性となる。
2 内訳としては再婚者同士10%、男性のみ再婚者10%、女性のみ再婚者7%となっている。
3組に1組が離婚、の計算根拠とは
件数推移からは、長期で見ても短期で見ても、現在の日本の離婚は、婚姻の大体3組に対して1組のボリュームの発生状況にある、ということが可能である。
しかしながら、話は最初に戻るが、このような高い発生状況にある離婚を背景として、4組に1組を超えるリスタートカップルが生まれて、新たな家族を形成している。そのため、1970年代の状況のままの価値観で、「離婚=結婚生活の終わり」ましてや「家族形成の終焉」と断じることは決してならない、と言えるだろう。
3 結婚から離婚に至るまでの期間の分析結果は次の(2)で紹介する。

03-3512-1878
(2020年04月27日「研究員の眼」)
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