- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- 小型コミュニケーションロボットの活用に向けて-目指す活用シーンはビジネスからパーソナル、ホームと多彩-
小型コミュニケーションロボットの活用に向けて-目指す活用シーンはビジネスからパーソナル、ホームと多彩-

青山 正治
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
はじめに
本稿では近年登場した、スマートフォン(以降、スマホ)を活用した小型コミュニケーションロボットを幾つか取り上げて概要に触れ、それらの持つ特徴などに考察を加える。
1 Internet of Thingsの略語。「モノのインターネット」と呼ばれる。自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出す。(総務省「平成28年版 情報通信白書」より)
1――対話型の小型コミュニケーションロボットの登場
次章では幾つかの小型コミュニケーションロボットの概要や活用シーンについて触れる。
2――多数登場する小型のコミュニケーションロボット
以下では、会場で目にした小型コミュニケーションロボットの概要や活用シーンを簡略に記す。
(1)「KIROBO mini(キロボミニ)」(トヨタ自動車株式会社)

この小柄な「コミュニケーションパートナー」は、話しかけた人の方向に顔を向け、顔や手を動かしながら雑談のような何気ない会話が可能である。また、小柄なので外出の際にも一緒に連れて行くことができ、人に寄り添い、心を通わせる存在となることを目指して開発されている。
様々なしぐさや会話は、主に本体と専用アプリをインストールしたスマホをつなぎ、本体に搭載したカメラ(眉間部分)により人の表情を認識して、感情を推定しながら人の気持ちに寄り添った会話や動作を行なう。また「KIROBO mini」に対応した「つながる」サービスの利用可能な車両や、トヨタホーム(株)が提供するTSC-HEMS(エネルギー管理)サービスを使ってクルマや家の状況を踏まえた会話ができる予定である。コミュニケーションを通じて一緒に行った場所やその人の好みを覚え、その人に合わせて変化・成長する点が特徴である。
(2)「RoBoHoN(ロボホン)」(シャープ株式会社)

「ロボホン」にはスマホのOS(基本ソフト)が使われており、専用アプリを開発でき、ダウンロードして機能拡張が可能である。
非常に多機能であり、通常の通話やメールの読み上げ、音声をメールにして送信できるほか、カメラや小形プロジェクターを搭載しており、撮影した画像を壁などに投影できる。人の顔認識が可能で名前を記憶でき、会話を継続することでより親しくなる事も出来る。また、超小型のサーボモーターを13個搭載しており、二足歩行や座ったり立ち上がるほか、細かな動作が出来る。
2016年の「CEATEC」の展示ブースでは、新たに提供される法人向け「お仕事パック」という「受付・接客アプリ」「プレゼンアプリ」「遠隔アプリ」の3つのアプリによる、受付や接客、観光案内、見守りなどの活用シーンの紹介とデモが行われていた。具体例としては、店頭販売での営業サポートやロボホンを携行することで場所と連動した観光案内や、レストランのテーブルでの注文などにも活用が可能である。また、12月15日、NTTドコモ(シャープと連名)は、「おしゃべりロボット for Biz(自然対話プラットフォーム)」対応ロボットに「ロボホン」を追加し、同日より法人向けに販売を開始すると発表した。様々な対話シナリオを追加でき、企業のビジネス現場での活用が期待される。
(2016年12月27日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
青山 正治
青山 正治のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2020/05/21 | 赤ちゃんの明るい笑い声の力-本物でもヒーリング・ロボでもパワーは同じ- | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2020/05/18 | サービスロボットやICTの新たな利活用分野-防疫対策でのICTやロボット技術活用の可能性- | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2019/09/11 | 介護ロボットの導入・活用への着実な取組-東京都の「次世代介護機器の活用支援事業」への取組 | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2019/07/11 | 新しい放送メディアの開発と超高齢社会での活用-4K・8Kの普及やパブリックビューイングの展開を期待 | 青山 正治 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年06月17日
今週のレポート・コラムまとめ【6/10-6/16発行分】 -
2025年06月16日
株式併合による非公開化-JAL等によるAGPのスクイーズアウト -
2025年06月16日
なぜ博士課程への進学者が減少しているのか-注目したい民間就職の動向- -
2025年06月16日
マスク着用のメンタルヘルスへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来-近年のAI進化の背景とは
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【小型コミュニケーションロボットの活用に向けて-目指す活用シーンはビジネスからパーソナル、ホームと多彩-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
小型コミュニケーションロボットの活用に向けて-目指す活用シーンはビジネスからパーソナル、ホームと多彩-のレポート Topへ