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コラム
2025年10月07日

投資部門別売買動向(25年9月)~事業法人は52カ月連続買い越し~

金融研究部 研究員 森下 千鶴

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2025年9月の日経平均株価は6カ月連続で上昇し、過去最高値を更新した。上旬は、ハイテク株を中心とした米国株の上昇や、国内政治では石破首相の辞任に伴い、次期政権による財政拡張的な政策への期待が高まったことなどが支えとなり、株価は上昇基調を強めた。日経平均株価は11日に4万4,000円を上回り、18日には4万5,000円を超えた。19日には、日銀がETFおよびJ-REITの売却を発表したことで一時的に下落したものの、売却ペースが緩やかであるとの見方が安心感につながり、株価は速やかに持ち直した。下旬は、上昇ペースの速さや円安一服を受けて伸び悩む場面もあったが、高値圏を維持し、月末は4万4,933円で取引を終えた。投資部門別では、事業法人が買い越す一方で、信託銀行、海外投資家、個人が売り越した(図表1)。
図表1 主な投資部門別売買動向と日経平均株価の推移
2025年9月(9月1日~26日)の投資部門別の売買動向をみると、事業法人が現物と先物の合計で6,935億円の買い越しと、9月最大の買い越し部門であった(図表2)。自社株買いを中心とした安定的な買いが続いており、買い越しは52カ月連続となった。
図表2 事業法人は52カ月連続買い越し
一方で、信託銀行は現物と先物の合計で9月に1兆3,100億円の売り越しと、最大の売り越し部門であった(図表3)。株価が堅調な中、年金基金のリバランスが需給面で売り圧力となったとみられる。
図表3 信託銀行は5カ月連続売り越し
また、9月は海外投資家が現物と先物の合計で9,565億円の売り越しとなり、5カ月ぶりに売り越しへ転じた(図表4)。
図表4 海外投資家は5カ月ぶりに売り越し
さらに、個人も現物と先物合計で2,431億円の売り越しとなった(図表5)。株価が史上最高値圏で推移する中、利益確定売りが優勢となった。
図表5 個人は7カ月連続売り越し

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年10月07日「研究員の眼」)

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金融研究部   研究員

森下 千鶴 (もりした ちづる)

研究・専門分野
株式市場・資産運用

経歴
  • 【職歴】
     2006年 資産運用会社にトレーダーとして入社
     2015年 ニッセイ基礎研究所入社
     2020年4月より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会検定会員
     ・早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)

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