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- 若者消費の現在地(1)メリハリ消費の実態~データで読み解く20代の消費行動
2025年09月22日
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■要旨
■目次
1――はじめに~選択と情報があふれる時代、若者はどのように消費行動を形づくっているのか?
2――お金をかけている消費ジャンル~体験・関係性重視の消費スタイルと属性別の特徴
1|全体の傾向~体験・関係性重視の消費スタイル、推し活と貯蓄・投資が同レベル
2|属性別の傾向~性別や職業、ライフステージが映し出す選択の違い
3――消費ジャンルと選択基準~多様な価値観に支えられるメリハリ消費
4――出費を抑えたい消費ジャンル~日常コストの節約と暮らしの制約による違い
1|全体の傾向~日常コストの節約と“守る消費”
2|属性別の傾向~収入水準と暮らしに映る違い
5――おわりに~若者のメリハリ消費が映す生活のリアル
- 本稿では、2025年6月に1都3県在住の20代を対象に実施したインターネット調査を基に、若者がどのようなジャンルにお金をかけ、どのようなジャンルを抑えようとしているのかを分析した。その結果、趣味や推し活、旅行、美容など自分の楽しみや体験、他者との関わりに積極的に投資する一方で、日々の食事や住居といった生活基盤にかかわる支出については節約意識が相対的に強いことが明らかになった。
- さらに、食費や交際費のように「お金をかけている」と「抑えたい」の双方に上位で登場するジャンルもあり、同じ支出の中に“守る消費”と“抑える消費”が併存するという両義性が浮かび上がった。
- 属性別に見ると、出費を抑えるジャンルは全体に共通性が強いものの、消費の優先順位は性別や職業、未既婚といったライフステージ要因に左右されることが確認された。年収層による差も一部見られるが、収入そのものよりも生活スタイルや将来設計といった要因の方が消費行動に強く反映されている。
- コレスポンデンス分析により、若者は消費ジャンルごとに異なる判断軸を使い分けていることも確認された。推し活は感性や自己表現、貯蓄・投資は合理性と主体性、日常消費は効率性と外部情報を重視するなど、多様な価値観が消費を支えている。若者の消費行動は節約か浪費かの二分法ではなく、限られた予算の中で自分らしい価値を追求する、主体的かつ戦略的なメリハリ消費として形づくられていることを示している。
■目次
1――はじめに~選択と情報があふれる時代、若者はどのように消費行動を形づくっているのか?
2――お金をかけている消費ジャンル~体験・関係性重視の消費スタイルと属性別の特徴
1|全体の傾向~体験・関係性重視の消費スタイル、推し活と貯蓄・投資が同レベル
2|属性別の傾向~性別や職業、ライフステージが映し出す選択の違い
3――消費ジャンルと選択基準~多様な価値観に支えられるメリハリ消費
4――出費を抑えたい消費ジャンル~日常コストの節約と暮らしの制約による違い
1|全体の傾向~日常コストの節約と“守る消費”
2|属性別の傾向~収入水準と暮らしに映る違い
5――おわりに~若者のメリハリ消費が映す生活のリアル
(2025年09月22日「基礎研レポート」)
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経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
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