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気候変動:死亡率シナリオの作成-気候変動の経路に応じて日本全体の将来死亡率を予測してみると…

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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続いて、死亡数の推移を年齢群団別に見てみよう。90~94歳、70~74歳、50~54歳、30~34歳、10~14歳の5つの年齢群団を比較する。年齢ごとの死亡率の水準が異なることを考慮して、各経路のSSP1-2.6との差ではなく、SSP1-2.6からの増減率の推移を表示してみると、次の図のとおりとなった。
男性については、70-74歳や10-14歳では、SSP5-8.5の SSP1-2.6からの増減率が2050年代より徐々に上昇し、2100年には8%程度となった。一方、50-54歳や30-34歳では、同増減率が2100年にはマイナスとなるなど、年齢群団ごとに傾向の大きな違いが見られた。47

女性については、70-74歳では、SSP5-8.5の SSP1-2.6からの増減率が2050年代より徐々に上昇し、2100年には4%程度となった。一方、10-14歳では、同増減率はゼロパーセント近辺。50-54歳や30-34歳では、同増減率が2100年にはマイナスとなり、特に30-34歳ではマイナス4%程度に低下した。30-34歳の年齢群団で比較すると、男性よりも女性のほうが、同増減率は低い様子がうかがえる。48
47 SSP1-2.6とSSP5-8.5の差異を死因別に見ると70-74歳は異常無(老衰等)、10-14歳は外因(熱中症含)などとなっている。
48 SSP1-2.6とSSP5-8.5の差異を死因別に見ると90-94歳は異常無(老衰等)、70-74歳は新生物や異常無(老衰等)、30-34歳はその他の死因などとなっている。
続いて、死亡率の推移を季節別に見てみよう。季節ごとの死亡率の水準が異なることを考慮して、各経路のSSP1-2.6との差ではなく、SSP1-2.6からの増減率の推移を表示してみると、次の図のとおりとなった。男性90-94歳は、SSP5-8.5の SSP1-2.6からの増減率は夏季にプラス、冬季にマイナスとなっており、夏季のほうが影響が大きい結果となった。49
(2024年12月24日「基礎研レポート」)
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保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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