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- 米住宅着工・許可件数(22年7月)-着工件数は市場予想を大幅に下回り、21年2月以来の水準に低下
2022年08月17日
1.結果の概要:着工件数は市場予想を大幅に下回った一方、許可件数は市場予想を上回る
2.結果の評価:集合住宅は堅調を維持も、戸建て住宅の落ち込みが顕著
住宅着工件数の伸びは前月比▲9.6%(前月:+2.4%)と前月からマイナスに転じた(図表3)。内訳をみると、戸建てが▲10.1%(前月:▲5.0%)と5ヵ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅も▲8.6%(前月:+18.6%)と前月の2桁のプラスからマイナスに転じて全体を押し下げた。
前年同月比でも▲8.1%(前月:▲3.9%)と3ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、集合住宅が+18.0%(前月:+16.2%)と前月に続き2桁のプラスを維持した一方、戸建てが▲18.5%(前月:▲12.5%)と前月に続き2桁のマイナスとなって全体を押し下げた。
地域別寄与度(前月比)は、北東部が+5.7%ポイント(前月:+0.6%ポイント)と2ヵ月連続のプラスとなった。一方、西部が▲0.6%ポイント(前月:+2.2%ポイント)、南部が▲10.2%ポイント(前月:+0.8%ポイント)と前月からマイナスに転じたほか、中西部が▲4.4%ポイント(前月:▲1.3%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなった。
前年同月比でも▲8.1%(前月:▲3.9%)と3ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、集合住宅が+18.0%(前月:+16.2%)と前月に続き2桁のプラスを維持した一方、戸建てが▲18.5%(前月:▲12.5%)と前月に続き2桁のマイナスとなって全体を押し下げた。
地域別寄与度(前月比)は、北東部が+5.7%ポイント(前月:+0.6%ポイント)と2ヵ月連続のプラスとなった。一方、西部が▲0.6%ポイント(前月:+2.2%ポイント)、南部が▲10.2%ポイント(前月:+0.8%ポイント)と前月からマイナスに転じたほか、中西部が▲4.4%ポイント(前月:▲1.3%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなった。
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比▲1.3%(前月:+0.1%)とこちらも着工件数同様、前月からマイナスに転じた(図表5)。集合住宅が+2.8%(前月:+12.7%)とプラス幅は縮小したものの、2ヵ月連続でプラスを維持した一方、戸建てが▲4.3%(前月:▲7.7%)と5ヵ月連続でマイナスとなって全体を押し下げた(図表6)。
前年同月比は+1.1%(前月:+2.1%)とこちらは6ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが▲11.7%(前月:▲11.1%)と5ヵ月連続でマイナスとなったほか、前月からマイナス幅が拡大した一方、集合住宅が+23.5%(前月:+27.4%)と5ヵ月連続で2桁の伸びを維持して全体を押し上げた。
前年同月比は+1.1%(前月:+2.1%)とこちらは6ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが▲11.7%(前月:▲11.1%)と5ヵ月連続でマイナスとなったほか、前月からマイナス幅が拡大した一方、集合住宅が+23.5%(前月:+27.4%)と5ヵ月連続で2桁の伸びを維持して全体を押し上げた。
一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、8月が49(前月:55)と8ヵ月連続の低下となったほか、好不況の節目となる50を下回り、20年5月(37)以来、27ヵ月ぶりの水準に低下した(図表7)。内訳は販売現況が57(前月:64)、販売見込みが47(前月:49)、客足が32(前月:37)となり、いずれも前月から悪化した。
NAHBのチーフエコノミストは「金融引き締め政策と建設コストの上昇が住宅不況を招いた」と指摘した一方、「インフレ率がピークに近づいている兆候が強まるにつれて、長期金利は安定してきており、今後数ヵ月の間に市場の需要側にある程度の安定をもたらすだろう」と述べ、住宅需要が安定するとの見通しも示した。もっとも、金融引き締めの継続が見込まれる中、当面は住宅需要が安定するとの見方はやや楽観的過ぎるだろう。
NAHBのチーフエコノミストは「金融引き締め政策と建設コストの上昇が住宅不況を招いた」と指摘した一方、「インフレ率がピークに近づいている兆候が強まるにつれて、長期金利は安定してきており、今後数ヵ月の間に市場の需要側にある程度の安定をもたらすだろう」と述べ、住宅需要が安定するとの見通しも示した。もっとも、金融引き締めの継続が見込まれる中、当面は住宅需要が安定するとの見方はやや楽観的過ぎるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年08月17日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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