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1.結果の概要:失業率は横ばい
【7月】
・失業保険申請件数1は前月(154.24万件)から1.06万件減の153.18万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は3.9%となり、前月(同3.9%)から横ばいだった
・給与所得者数2は前月(2959.0万人)から7.3万人増の2966.3万人となった。
増減数は前月(+4.8万人)から増加し、市場予想3(+2.5万人)も上回った。
【6月(22年4-6月の3か月平均)】
・失業率は3.8%で前月(3.8%)から横ばい、市場予想(3.8%)と同じだった(図表1)。
・就業者は3279.2万人で3か月前の3263.2万人から16.0万人の増加となった。
増減数は前月(+29.6万人)から減少し、市場予想(+26.8万人)も下回った。
・週平均賃金は、前年同期比5.1%で前月(6.4%)から減速したが、市場予想(4.5%)は上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計(22年7月から推計方法変更)。
3 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:求人数はピークアウト、実質賃金の伸び率は大幅マイナス
給与所得者データでは、事務・支援サービスが雇用をけん引し、増加基調が続いている(図表4)。一方、7月は製造業、卸・小売業、建設業が前月比でマイナスとなり、製造業や卸・小売業はコロナ禍前水準と比較しても雇用者数が少ない。月あたり給与額(中央値)は前年同月比6.6%となり、6月(6.6%)から横ばいで推移している。
4 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていない点には留意が必要。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年08月17日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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