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- 英国雇用関連統計(22年1月)-年末の休業者増は限定的にとどまる
1.結果の概要:失業率は横ばいで推移
【22年1月】
・失業保険申請件数1は前月(187.28万件)から3.19万件減の184.09万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.6%となり、前月(同4.6%)と同じだった。
・給与所得者数2は前月(2938.2万人)から10.8万人増の2848.9万人となった。
増減数は前月(+13.1万人)から減少、市場予想3(+13.3万人)を下回った。
【12月(10-12月の3か月平均)】
・失業率は4.1%で前月(4.1%)と同じ、市場予想(4.1%)とも一致した(図表1)。
・就業者は3248.5万人で3か月前の3252.3万人から3.8万人の減少となった。
増減数は前月(+6.0万人)から減少に転じたが、市場予想(▲5.8万人)を上回った。
・週平均賃金は、前年同期比4.3%で前月(4.2%)から加速、市場予想(3.8%)を上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは利用可能な情報の85%ほどを集計して算出。
3 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:休業者の増加は限定的にとどまる
給与所得者データでは、給与所得者数の増加が続いている(図表4)。産業別には、最近増加傾向にある事務サービスや居住・飲食業が堅調だった。一方、12月に大きく増加した製造業や建設業は1月には減少に転じている。月あたり給与額(中央値)については前年同月比6.3%で12月(5.9%)から伸び率を加速させている(図表4・5)。
労働時間は31.6時間(前年同期差+1.5時間)、フルタイム労働者で36.2時間(同+1.4時間)と横ばい圏でコロナ禍前の水準まではやや距離がある状態になっている(前掲図表2)。
10-12月の名目平均賃金は前年同期比4.3%と高い伸び率が続いている。一方、高インフレ率の影響で実質値は急減速しており、前年比では▲0.1%と20年8月以来のマイナスの伸び率となった。なお、コロナ禍の影響を除いた2年前比で見ると実質の伸び率も高めと言える(図表5)。
4 単月データは未季節調整値であり、例年10月は求人が多い季節性がある。なお、3か月平均のデータは季節調整値。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年02月16日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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