2021年04月06日

巨大プラットフォーム企業と競争法(2)-Facebookをめぐる競争法上の課題

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任   松澤 登

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■要旨

巨大プラットフォーム企業と競争法の2回目はFacebookについてである。最近の主な動きはドイツと米国でみられる。
 
Facebookは巨大SNS企業であり、SNSであるFacebookと写真共有を中心とするInstagramのサービスを行い、また対話メッセージアプリのWhatsAppなどの事業を行っている。FacebookのSNSは無料で利用できるが、SNS上のソーシャル広告掲載により収益化を行っている。
 
ドイツで問題にされたのは、Facebookに広告を掲載している第三者サイトが、ユーザーがFacebook上の広告から自社サイトに訪問したことや購買したことなどのデータを個人データとして受領していたことである。ドイツ最高裁は、個人データ利用をするかどうか自発的な同意を行うという選択肢がない場合には、Facebookの市場における支配的な地位に鑑みると競争法違反となるとの判示を行った。
 
アメリカで問題にされたのは、まず、Facebookで自分の友達として設定した場合において、その友達が第三者アプリを利用すると、何らの同意もないのに自分の非公開情報まで第三者アプリに連動されることである。この件については2012年、2019年に連邦取引員会(FTC)から是正命令を受けた。
 
また、現在進行中の訴訟として、FTCが提訴した案件では、FacebookがInstagramやWhatsAppを買収し、かつ買収後には事業活動の制限を行ったことを、競争法違反と主張するものである。

■目次

1――はじめに
2――Facebookのビジネスモデル
  1|ユーザー向けサービス
  2|Facebookのソーシャル広告サービス
  3|Facebookのその他の企業向けサービス
3――欧州(ドイツ)による対応
  1|ドイツ連邦カルテル庁による差し止め命令
  2|ドイツ最高裁判所による暫定的認定
4――米国FTCによる個人情報取り扱いに関する命令
  1|2012年連邦取引委員会命令
  2|2019年FCTの訴え(Complaint)
  3|2019年和解申出・命令
5――FTCによる2020年訴訟
  1|Instagramの買収
  2|WhatsAppの買収
  3|APIアクセスにおける反競争的条件の強制
  4|反競争的行為による損害および救済
6――検討
  1|個人情報の取扱
  2|InstagramとWhatsAppの買収
7――おわりに
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保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

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