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- 米国労働市場の新型コロナからの回復は道半ば
2020年12月03日
非農業部門雇用者数(前月比)も新型コロナ流行前は10年10月から20年2月まで1939年の統計開始以来最長となる113ヵ月連続で雇用が増加していたが、外出制限などで大きな影響を受けた娯楽・宿泊業をはじめサービス業を中心に3月には▲137万人減少し、金融危機時の最大の落ち込み幅であった09年3月の▲80万人を大幅に上回った。さらに、4月は統計開始以来最大の落ち込み幅となる▲2,079万人の減少となった。この結果、3月から4月の僅か2ヵ月間の雇用減少幅は▲2,216万人となった。
一方、4月下旬以降に経済活動が段階的に再開されたことから、労働市場は5月には早くも回復に転じた。失業率は4月にピークをつけた後、10月には6.9%まで低下した。また、雇用者数も5月に+273万人の増加に転じた後、10月の+64万人まで6ヵ月連続で増加した。もっとも、労働市場の回復基調は持続しているものの、新型コロナ流行前の水準に比べて回復は緩やかに留まっている。
一方、4月下旬以降に経済活動が段階的に再開されたことから、労働市場は5月には早くも回復に転じた。失業率は4月にピークをつけた後、10月には6.9%まで低下した。また、雇用者数も5月に+273万人の増加に転じた後、10月の+64万人まで6ヵ月連続で増加した。もっとも、労働市場の回復基調は持続しているものの、新型コロナ流行前の水準に比べて回復は緩やかに留まっている。

さらに、新型コロナ対策として、通常は失業保険給付の対象とならない自営業者や所謂「ギグワーカー」まで支給対象を拡大して4月に新設されたパンデミック失業支援(PUA)が10月17日の週で933万人となったほか、通常の失業保険の受給期間が終了した受給者に対して新たに13週の失業保険を給付するパンデミック緊急失業補償(PEUC)が396万人となっており、これらのすべてのプログラムを合計した受給者数は2,151万人と米国の労働力人口(1億6千万人)の13%強に上っている。
今後、10月の雇用増加ペースを維持した場合でも、雇用減少分を取り戻すにはさらに16ヵ月が必要となるため雇用回復の道のりは遠いとみられているが、足元では回復がさらに遅れる可能性が高まっている。米国では11月に入って新型コロナ感染の再拡大がみられており、再び経済活動が制限される可能性が指摘されている。また、景気回復の足取りを確かなものにするために期待された追加経済対策も経済規模などで与野党合意が不透明となっており、追加対策実施の目途が立っていない。このため、緩やかなペースに留まっている労働市場に対して回復持続性への懸念が高まっている。
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(2020年12月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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