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- 中国経済:景気指標の総点検(2020年夏季号)~景気インデックスはプラス成長を示唆!
- 新型コロナ禍で経済活動をほぼ全面停止した1-3月期、中国の国内総生産(GDP)は実質で前年比6.8%減と大幅なマイナス成長を記録した。特に宿泊飲食業、卸小売業、建築業の落ち込みが厳しかった。但し、新型コロナ禍がほぼ収束した4月に、中国政府は経済活動の本格再開に舵を切ったため、工業生産は1-2月期の前年比13.5%減をボトムに持ち直し、4月には同3.9%増、5月には同4.4%増と前年水準を上回るまでに持ち直してきた。一方、消費者物価は20年1月の前年比5.4%上昇をピークに4ヵ月連続で低下、落ち着きを取り戻している。
- 景気10指標を見ると、需要面では固定資産投資が3月以降3ヵ月連続で“○”、小売売上高と輸出が4月以降2ヵ月連続で“○”であり、需要は2-3月をボトムに底打ちした模様である。供給面では工業生産と製造業PMIが3月以降3ヵ月連続で“○”、非製造業PMIが5月に3ヵ月ぶりの“○”となっており、製造業が先行しそれに遅れて非製造業も底打ちした。また、電力消費量と道路貨物輸送量が4月以降2ヵ月連続で“○”、工業生産者出荷価格が7ヵ月ぶりに“○”に転じ、通貨供給量(M2)は6ヵ月連続で“○”を維持している。
- 最後に「景気インデックス」(工業生産、サービス業生産、建築業PMIの3つを合成加工したもので、月次の景気指標を実質成長率に換算するとどの程度かを表示)の推移をみると、2月に前年比8.3%減まで落ち込んだ後、3月には同4.9%減、4月には同1.7%減とマイナス幅を縮め、5月には同2.1%増と5ヵ月ぶりにプラスに転じた。6月の景気指標は未反映だが、7月16日公表の4-6月期の実質成長率は小幅ながらプラスになる可能性がでてきた(下図)。
(2020年06月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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