2020年04月17日

米住宅着工・許可件数(20年3月)-着工件数は121.6万件と前月比▲22.3%の大幅な落ち込み、市場予想(130.0万件)も下回る

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:着工、許可件数ともに前月から大幅な落ち込み。許可件数は予想を上回る

 4月16日、米国センサス局は3月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は121.6万件(前月改定値:156.4万件)と159.9万件から下方修正された前月値を大幅に下回り、市場予想の130.0万件(Bloomberg集計の中央値)も下回った(図表1、図表3)。

住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は135.3万件(前月改定値:145.2万件)と、こちらは146.4万件から下方修正された前月を下回ったものの、市場予想の129.6万件は上回った(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:新型コロナウイルスの影響で3月は大幅減少も4月はさらに減少する見込み

住宅着工件数の伸びは、前月比▲22.3%(前月:▲3.4%)と84年3月(▲26.4%)以来の落ち込みとなった(図表3)。内訳をみると、戸建てが▲17.5%(前月:+4.5%)、集合住宅も▲31.7%(前月:▲15.9%)といずれも2桁の大幅な落ち込みとなった(図表4)。

前年同月比では+1.4%(前月:+36.1%)とプラスを維持したものの、前月から伸びが大幅に鈍化した。戸建てが+2.8%(前月:+30.9%)と辛うじてプラスを維持した一方、集合住宅は▲1.6%(前月:+45.2%)と19年3月(▲17.4%)以来のマイナスに転じた。

地域別寄与度(前月比)は、北東部が▲3.3%ポイント(前月:▲6.0%ポイント)、中西部が▲2.7%ポイント(前月:+1.4%ポイント)、南部が▲12.0%ポイント(前月:+5.4%ポイント)、西部が▲4.3%ポイント(前月:▲4.2%ポイント)と全ての地域でマイナスとなった。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比▲6.8%(前月:▲6.3%)と2ヵ月連続のマイナスとなった(図表5)。集合住宅が+4.9%(前月:▲20.6%)と前月の落ち込みもあってプラスに転じた一方、戸建てが▲12.0%(前月:+1.8%)と19年3月以来のマイナスに転じた(図表6)。

前年同月比は+5.0%(前月:+12.8%)と9ヵ月連続のプラスとなった。集合住宅は▲1.3%(前月:▲5.5%)とマイナスとなったものの、戸建てが+8.7%(前月:+23.5%)とプラスを維持した。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅市場指数(項目別) 一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、4月が30(前月:72)と前月比▲42ポインと統計開始以来の最大の落ち込みとなり、水準は12年6月(29)以来となった(図表7)。

指数の内訳は販売現況が36(前月:79)、販売見込みが36(前月:75)、客足が13(前月:56)といずれも凄まじい落ち込みとなっている。

同協会は、会員の96%が感染対策により客足を損ねていると回答しており、新型コロナウイルスの感染拡大と外出制限などの感染対策が影響したことを示している。感染対策は3月中旬以降に強化されているため、4月の住宅着工件数は当月以上の落ち込みが見込まれる。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2020年04月17日「経済・金融フラッシュ」)

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