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コラム
2020年04月14日
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界で猛威をふるっている。世界保健機関(WHO)の発表によれば、世界で感染が確認された症例はおよそ170万人、死亡者は10万人を超えてしまった。
新型コロナが最初に“爆発的感染(オーバーシュート)”を起したのは周知のとおり中国の武漢だった。その武漢では、新型コロナに感染した人やその疑いを持つ人が病院に押し寄せ、診察できない人が街にあふれ出し、“医療崩壊”に陥った。そして、日本でも映像が放映されたように突貫工事で病棟を建てるとともに、人民解放軍の医療スタッフを投入して治療にあたったものの、大量の死亡者を出すこととなった。他方、武漢で封じ込めに失敗した中国政府は、“医療崩壊”が全国に波及しないように武漢を“都市封鎖(ロックダウン)”するとともに、まだ感染が初期段階にあった北京や上海などその他の地域でも外出制限や店舗閉鎖など厳しい新型コロナ対策を講じた。そして、新たに感染が確認された症例が減少し始めるとともに、時間を経るにしたがって治療を終えて退院する人が増えたため、現存の感染者数は2月中旬をピークに減少し始めており、3月10日には武漢に突貫工事で建設した病棟(16ヵ所)をすべて閉鎖、運用を停止していたバスや地下鉄も動き始め、4月8日には1月23日から続いていた“都市封鎖”を解除することとなった。
一方、新型コロナは中国から世界各地に飛び火、WHOは3月11日に「世界的な感染拡大(パンデミック)」を宣言することとなった。しかし、新型コロナが想定を遥かに超えるスピードで伝染したため、イタリアなど欧州諸国や米国でも“爆発的感染”を引き起こした。そして、“医療崩壊”の脅威に直面した欧米先進国では自由を制限する非常事態を相次いで宣言、新型コロナ禍から国民を守るには、「人と人の接触機会を大幅に削減」する必要があるとの認識の下、罰金や罰則を伴う厳しい“外出制限”を発動する道を選択した国が多かった。国民に「人と人の接触機会を大幅に削減」することの必要性を説明し“外出自粛”への協力を求める道を放棄し、“外出制限”に違反した場合には罰金や罰則を課すという、中国が採用した新型コロナ対策に近い強権的手段を用いて、「人と人の接触機会を大幅に削減」する道を選ぶことになったのである。
そして、いよいよ新型コロナの感染経路が追えなくなってきた日本でも、4月7日に緊急事態宣言を発出することとなった。その宣言に当たって安倍首相は、「専門家の試算では人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減すれば2週間後に感染者増を減少に転じさせられる」と説明し、国民に“外出自粛”への協力を求めた。日本政府は、共産党による事実上の一党独裁下で厳しい“都市封鎖”を実行した中国はもちろんのこと、強権的な新型コロナ対策を講じた欧米先進国と比べても、国民の自由をより多く残す道を選択したといえるだろう。
しかし、日本政府が国民に“外出自粛”を求めたにもかかわらず、「人と人の接触機会を大幅に削減」することができず、日本が新型コロナの“爆発的感染”や“医療崩壊”に見舞われることになれば、日本は世界の“笑い者”となりかねない。そして、そうなれば日本政府も欧米先進国並みの強権的手段に踏み切らざるを得なくなり、日本国民の自由は厳しく制限されることになるだろう。ここは日本国民が一丸となって「人と人の接触機会を大幅に削減」することを成し遂げて、日本の選択が正しかったことを世界に示すときだろう。
新型コロナが最初に“爆発的感染(オーバーシュート)”を起したのは周知のとおり中国の武漢だった。その武漢では、新型コロナに感染した人やその疑いを持つ人が病院に押し寄せ、診察できない人が街にあふれ出し、“医療崩壊”に陥った。そして、日本でも映像が放映されたように突貫工事で病棟を建てるとともに、人民解放軍の医療スタッフを投入して治療にあたったものの、大量の死亡者を出すこととなった。他方、武漢で封じ込めに失敗した中国政府は、“医療崩壊”が全国に波及しないように武漢を“都市封鎖(ロックダウン)”するとともに、まだ感染が初期段階にあった北京や上海などその他の地域でも外出制限や店舗閉鎖など厳しい新型コロナ対策を講じた。そして、新たに感染が確認された症例が減少し始めるとともに、時間を経るにしたがって治療を終えて退院する人が増えたため、現存の感染者数は2月中旬をピークに減少し始めており、3月10日には武漢に突貫工事で建設した病棟(16ヵ所)をすべて閉鎖、運用を停止していたバスや地下鉄も動き始め、4月8日には1月23日から続いていた“都市封鎖”を解除することとなった。
一方、新型コロナは中国から世界各地に飛び火、WHOは3月11日に「世界的な感染拡大(パンデミック)」を宣言することとなった。しかし、新型コロナが想定を遥かに超えるスピードで伝染したため、イタリアなど欧州諸国や米国でも“爆発的感染”を引き起こした。そして、“医療崩壊”の脅威に直面した欧米先進国では自由を制限する非常事態を相次いで宣言、新型コロナ禍から国民を守るには、「人と人の接触機会を大幅に削減」する必要があるとの認識の下、罰金や罰則を伴う厳しい“外出制限”を発動する道を選択した国が多かった。国民に「人と人の接触機会を大幅に削減」することの必要性を説明し“外出自粛”への協力を求める道を放棄し、“外出制限”に違反した場合には罰金や罰則を課すという、中国が採用した新型コロナ対策に近い強権的手段を用いて、「人と人の接触機会を大幅に削減」する道を選ぶことになったのである。
そして、いよいよ新型コロナの感染経路が追えなくなってきた日本でも、4月7日に緊急事態宣言を発出することとなった。その宣言に当たって安倍首相は、「専門家の試算では人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減すれば2週間後に感染者増を減少に転じさせられる」と説明し、国民に“外出自粛”への協力を求めた。日本政府は、共産党による事実上の一党独裁下で厳しい“都市封鎖”を実行した中国はもちろんのこと、強権的な新型コロナ対策を講じた欧米先進国と比べても、国民の自由をより多く残す道を選択したといえるだろう。
しかし、日本政府が国民に“外出自粛”を求めたにもかかわらず、「人と人の接触機会を大幅に削減」することができず、日本が新型コロナの“爆発的感染”や“医療崩壊”に見舞われることになれば、日本は世界の“笑い者”となりかねない。そして、そうなれば日本政府も欧米先進国並みの強権的手段に踏み切らざるを得なくなり、日本国民の自由は厳しく制限されることになるだろう。ここは日本国民が一丸となって「人と人の接触機会を大幅に削減」することを成し遂げて、日本の選択が正しかったことを世界に示すときだろう。
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(2020年04月14日「研究員の眼」)
三尾 幸吉郎
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