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- 韓国に経済危機は再来するか?
1―減少する輸出と伸びない経済成長率
2―「セルコリア」、「エクソダスコリア」?
外国人投資家の韓国株の売り越しが続いた主な理由としては、米中貿易摩擦が長期化している中で、アメリカが中国に対して12月15日に対中追加関税リストの発動を予定していたことで中国への輸出依存度が高い韓国経済がさらに悪化すると予想されたこと、香港事態と関連した不安感が拡大したこと、米朝関係の悪化により韓国の地政学リスクが高まったことなどが挙げられる。
さらに、外国人直接投資の金額は2018年の269億ドルから2019年第3四半期現在135億ドルまで大きく減少している。第4四半期に大きな投資が行われなければ前年を大きく下回ることが確かである[図表4]。
3―韓国発の経済危機は起きるのだろうか?
もっとも、油断はできないだろう。経済全般に関する構造改革を急がないと、経済危機に直面する可能性は高くなる。マスコミでは外国人投資家の韓国離れだけが報道されているが、実際には韓国企業や若者の韓国離れの方が深刻だ。韓国企業の韓国への投資金額の減少が強まる中で、韓国企業の海外への投資は増加傾向にある[図表6]。このままだと韓国政府の雇用創出政策は失敗に終わる可能性が高い。
世界的に貿易の伸びが低下し、過去のような爆発的な経済成長は期待できないのが現状である。今後は2%前後の経済成長が続くという見通しが多い。今後、韓国政府が国の富を増やし、国民の生活の質を高めるためにどのような経済対策を実施するのか注目したい。
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
(2020年03月06日「基礎研マンスリー」)
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