2020年01月31日

2019年10-12月期の実質GDP~前期比▲1.1%(年率▲4.4%)を予測~

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
  1. 2/17に内閣府から公表される2019年10-12月期の実質GDPは、前期比▲1.1%(前期比年率▲4.4%)と5四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される。
     
  2. 消費税率引き上げの影響から民間消費(前期比▲2.6%)、住宅投資(同▲4.1%)、設備投資(同▲0.6%)の民間需要がいずれも減少したことが大幅マイナス成長の主因である。公的需要(政府消費、公的固定資本形成)は増加したが、民需の落ち込みをカバーするには至らなかった。
     
  3. 一方、輸出は欧米向けを中心に低迷が続いたが、国内需要の落ち込みを背景とした輸入の大幅減少から外需寄与度は前期比0.3%(年率1.3%)と成長率を押し上げた。
     
  4. 成長率のマイナス幅は前回の消費増税後(前期比年率▲7.4%)よりも小さいが、増税前の成長率が低く、増税前後で均してみれば景気の基調は前回増税時よりも弱い。
     
  5. 2020年1-3月期は駆け込み需要の反動が和らぐ中で民間消費、設備投資が持ち直すものの、欧米向けを中心に財の輸出が低迷することに加え、中国からの訪日客の急減によってサービスの輸出も大きく落ち込むことから、ほぼゼロ成長にとどまると予想される。
実質GDP成長率の推移
■目次

●10-12月期は年率▲4.4%の大幅マイナス成長を予測
●主な需要項目の動向
  ・民間消費~駆け込み需要の反動以上に落ち込む~
  ・住宅投資~6四半期ぶりの減少~
  ・民間設備投資~前期の高い伸びの反動で減少も、回復基調は維持~
  ・公的固定資本形成~積極的な予算を反映し増加が続く~
  ・外需~輸入の大幅減少で3四半期ぶりのプラス寄与~
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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