コラム
2019年06月20日

投資とギャンブルは何が違うのか

金融研究部 准主任研究員   前山 裕亮

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金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」いわゆる年金2,000万円不足問題をきっかけに、投資についての関心が高まっている。そのような中、「投資=ギャンブル」という声を耳にする機会があった。資産運用業に携わる筆者としては残念に思う反面、投資にはそう思われても仕方ない面も確かにあると思う。
 
人によって投資の定義は異なるが、金融商品などを購入することによってプラスの収益が期待できる、つまり期待収益率がプラスであるのが投資ではないかと筆者は考えている。一般的なギャンブルや宝くじは還元率が100%未満、つまり期待収益率はマイナスである。そのため、ギャンブルや宝くじは娯楽サービスの消費であり、筆者の中では投資とギャンブルは明確に異なっている。
 
ただ、一般的な投資対象となる金融商品は期待できる収益に対して価格変動リスクが大きいことが知られている。たとえば日本株式市場全体に1年間投資した場合の期待収益率はだいたい7-8%程度であると考えられている。その一方でリーマン・ショックがあった2008年には日本株式は40%以上も下落した。これは1年間の期待収益率の5倍以上、価格が下落したことを意味する。このように金融商品は時に大きく下落してしまうことがあるため、短期的には期待収益率がプラスであることを実感しにくいのではないだろうか。つまり、収益が期待できることよりも損する可能性があることに注目が行きやすく、投資とギャンブルが同じように見えてしまう面があるのだと思う。また、そもそも株式などの金融商品を購入することは本当に収益が期待できるのか、疑問を持っている人が多いのかもしれない。
 
「投資=ギャンブル」は極端な例かもしれないが、日本では投資に対して良いイメージを持つ人がまだまだ少ないことは事実であろう。その背景には、投資の成功体験を持つ人が少ないことがあると思われる。
 
今後、多くの人が成功体験を持つ、つまり期待収益率がプラスであることを実感できれば、自然と投資に対するイメージが改善されてくることが期待できる。ただ、そのためには投資に対して良いイメージを持っていない、もしくはそれ以前に関心自体が薄い人に投資を始めてもらうことが必要になる。まさに、「鶏が先か、卵が先か」という難しい問題なのかもしれない。
 
それでもiDeCoやNISAなど投資を後押しする制度が充実してきている。また、ポイント投資や異業種からの資産運用業への参入など、これまで投資に対して関心自体が薄かった人にアプローチする動きも見られる。このような制度や動きによって劇的に変化することはないと思われるが、徐々にでも投資が浸透していくことを期待したい。
 
 

(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
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金融研究部   准主任研究員

前山 裕亮 (まえやま ゆうすけ)

研究・専門分野
株式市場・資産運用

(2019年06月20日「研究員の眼」)

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