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- インデックス型外株で流入加速~2025年10月の投信動向~
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コラム
2025年11月12日
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■要旨
外国株式ファンドへの資金流入が10月に鈍化したが、新NISAの中心商品となっているインデックス型に限ると堅調であった。
■目次
・外国株式ファンドへの流入が鈍化
・一部のアクティブ型で利益確定売り
・インデックス型への資金流入は4月以降で最大に
・新規設定だけでない国内株式ファンド
・半導体関連などのテーマ型が特に好調
外国株式ファンドへの資金流入が10月に鈍化したが、新NISAの中心商品となっているインデックス型に限ると堅調であった。
■目次
・外国株式ファンドへの流入が鈍化
・一部のアクティブ型で利益確定売り
・インデックス型への資金流入は4月以降で最大に
・新規設定だけでない国内株式ファンド
・半導体関連などのテーマ型が特に好調
外国株式ファンドへの流入が鈍化
一部のアクティブ型で利益確定売り
インデックス型への資金流入は4月以降で最大に
さらに、一般販売されているインデックス型の外国株式ファンドには、10月に6,700億円の資金流入があり、9月の5,800億円から900億円増加した。米関税政策の動向で世界的に株式市場が右往左往した4月以降で最大となった。10月は、特に人気の2本【図表3:青太字】を中心に米国株式ものの流入増加が顕著であった。アクティブ型と異なりインデックス型では、米国株式ものへの資金流入の回復基調が続いている。
足元では米国株式、特に米ハイテク株式の過熱感が懸念されているが、1990年前後の日本株式のような異常な割高感はない。そのため外国株式ファンドはいつ調整してもおかしくない状況ではあるが、調整したとしても短期的に終わる可能性が高い。過度に調整を恐れて投資を控える、さらには保有しているファンドを売却すると、結果的に機会損失となる場合もある。長期投資であるならば、足元の過熱感を過度に気にする必要は乏しいと思われる。
このように10月は一部で利益確定の売却が膨らんだが、新NISAの中心商品であるインデックス型を中心に外国株式ファンド全体で見ると堅調であった。そのことを踏まえると、NISA口座を積極的に活用していることや長期投資傾向が高まっていることが期待されるだろう。ただし、毎月分配型の外国株式ファンドについては高分配金のファンドが売れているだけに、高パフォーマンスに伴う高分配が人気を集めているだけの可能性もあるだろう。
なお、外国株式ファンド以外でもバランス型ファンドでは資金流入が10月から鈍化した。外国REITファンド、外国債券ファンド、国内REITファンド、国内債券ファンドでは、一般販売されているものに限ると資金流出が継続、もしくは純流出に転じるなど販売は冴えなかった。
足元では米国株式、特に米ハイテク株式の過熱感が懸念されているが、1990年前後の日本株式のような異常な割高感はない。そのため外国株式ファンドはいつ調整してもおかしくない状況ではあるが、調整したとしても短期的に終わる可能性が高い。過度に調整を恐れて投資を控える、さらには保有しているファンドを売却すると、結果的に機会損失となる場合もある。長期投資であるならば、足元の過熱感を過度に気にする必要は乏しいと思われる。
このように10月は一部で利益確定の売却が膨らんだが、新NISAの中心商品であるインデックス型を中心に外国株式ファンド全体で見ると堅調であった。そのことを踏まえると、NISA口座を積極的に活用していることや長期投資傾向が高まっていることが期待されるだろう。ただし、毎月分配型の外国株式ファンドについては高分配金のファンドが売れているだけに、高パフォーマンスに伴う高分配が人気を集めているだけの可能性もあるだろう。
なお、外国株式ファンド以外でもバランス型ファンドでは資金流入が10月から鈍化した。外国REITファンド、外国債券ファンド、国内REITファンド、国内債券ファンドでは、一般販売されているものに限ると資金流出が継続、もしくは純流出に転じるなど販売は冴えなかった。
新規設定だけでない国内株式ファンド
その一方で、国内株式ファンドでは900億円の資金流入と流入超過に転じた。あくまでも10月に新規設定された「野村日本バリュー厳選投資」1本で1,100億円強の資金を集めたことが大きく、既存の国内株式ファンドに限ると流出超過が継続していた。10月は月間で日経平均株価が17%、TOPIXでも6%と大きく上昇し、国内株式ファンドでも利益確定の売却が出やすい状況であった。その割には、一般販売されているインデックス型では流入額こそ100億円に満たなかったが4月以来となる流入超過に転じるなど、10月に資金流出が膨らまなかった面もある。
国内株式ファンド、特にインデックス型で10月に資金流出が膨らまなかった要因として、まず逆張り投資の苦境がある。4月中旬以降、国内株式が概ね右肩上がりで上昇したこともあり、7月以降、国内株式ファンドは売却が減少基調となっており、売却が一巡してきていた。さらに株価自体が高水準であっても一時的に下落したタイミングで押し目買いを入れる様子もあり、買付は6月から増加基調であった。
それに加えて、新NISAなどからの長期投資目的の買付も増えている可能性もあるだろう。一般販売されているインデックス型の国内株式ファンドをTOPIX連動のものに限ると、8月以降、資金流入が続き、特に10月は300億円弱の資金流入があった。
国内株式ファンド以外に金関連ファンドも10月に資金流入が増えた。さらにSMA専用ファンド全体に2,700億円の資金流入と9月引き続き大規模流入があったこともあり、ファンド全体でみると1兆2,500億円と9月の1兆3,400億円から小幅な減少にとどまった。
国内株式ファンド、特にインデックス型で10月に資金流出が膨らまなかった要因として、まず逆張り投資の苦境がある。4月中旬以降、国内株式が概ね右肩上がりで上昇したこともあり、7月以降、国内株式ファンドは売却が減少基調となっており、売却が一巡してきていた。さらに株価自体が高水準であっても一時的に下落したタイミングで押し目買いを入れる様子もあり、買付は6月から増加基調であった。
それに加えて、新NISAなどからの長期投資目的の買付も増えている可能性もあるだろう。一般販売されているインデックス型の国内株式ファンドをTOPIX連動のものに限ると、8月以降、資金流入が続き、特に10月は300億円弱の資金流入があった。
国内株式ファンド以外に金関連ファンドも10月に資金流入が増えた。さらにSMA専用ファンド全体に2,700億円の資金流入と9月引き続き大規模流入があったこともあり、ファンド全体でみると1兆2,500億円と9月の1兆3,400億円から小幅な減少にとどまった。
(2025年11月12日「研究員の眼」)
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03-3512-1785
経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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