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- 鉱工業生産17年3月~1-3月期はほぼ横ばいだが、基調としては堅調を維持
2017年04月28日
1.1-3月期の生産は前期比0.1%
経済産業省が4月28日に公表した鉱工業指数によると、17年3月の鉱工業生産指数は前月比▲2.1%(2月:同3.2%)と2ヵ月ぶりに低下し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲1.0%、当社予想は同▲1.1%)を下回る結果となった。出荷指数は前月比▲1.1%と2ヵ月ぶりの低下、在庫指数は前月比1.6%と4ヵ月連続の上昇となった。
3月の生産を業種別に見ると、好調を続けてきた電子部品・デバイスが前月比▲4.8%と6ヵ月ぶりに低下するなど、速報段階で公表される15業種中11業種が前月比で低下、4業種が上昇した。
17年1-3月期の生産は前期比0.1%と4四半期連続で上昇したが、16年10-12月期の同1.8%からは伸びが大きく低下した。業種別には、世界的なITサイクルの改善を受けて電子部品・デバイスが前期比5.8%の高い伸びとなったほか、資本財関連の輸出好調を受けて、はん用・生産用・業務用機械が前期比0.6%と4四半期連続の増産となった。一方、輸送機械は年明け以降の自動車輸出が弱含んでいることもあり、前期比▲1.0%と4四半期ぶりの減産となったほか、情報通信機械は10-12月期の前期比▲4.0%に続き、1-3月期も同▲6.6%の大幅減産となった。
3月の生産を業種別に見ると、好調を続けてきた電子部品・デバイスが前月比▲4.8%と6ヵ月ぶりに低下するなど、速報段階で公表される15業種中11業種が前月比で低下、4業種が上昇した。
17年1-3月期の生産は前期比0.1%と4四半期連続で上昇したが、16年10-12月期の同1.8%からは伸びが大きく低下した。業種別には、世界的なITサイクルの改善を受けて電子部品・デバイスが前期比5.8%の高い伸びとなったほか、資本財関連の輸出好調を受けて、はん用・生産用・業務用機械が前期比0.6%と4四半期連続の増産となった。一方、輸送機械は年明け以降の自動車輸出が弱含んでいることもあり、前期比▲1.0%と4四半期ぶりの減産となったほか、情報通信機械は10-12月期の前期比▲4.0%に続き、1-3月期も同▲6.6%の大幅減産となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は16年10-12月期の前期比2.4%の後、17年1-3月期は同▲2.5%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は16年10-12月期の前期比2.1%の後、17年1-3月期は同▲1.0%となった。17年1-3月期のGDP統計の設備投資は前期比でマイナスとなることが見込まれる。ただし、16年10-12月期に前期比2.0%の高い伸びとなった反動もあるため、持ち直しの基調は崩れていない。円高を主因として16年前半に大幅に落ち込んだ企業収益は、円高の一巡や海外経済の回復に伴い16年後半にはすでに回復に転じている。企業収益の回復に伴う潤沢なキャッシュフローを背景として、先行きの設備投資は持ち直しの動きが明確になる可能性が高い。
2.生産は先行きも堅調が続く見込み
製造工業生産予測指数は、17年4月が前月比8.9%、5月が▲3.7%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(3月)、予測修正率(4月)はそれぞれ0.6%、▲0.2%であった。
予測指数を業種別にみると、4月ははん用・生産用・業務用機械(前月比22.0%)、電子部品・デバイス(同12.2%)、情報通信機械(同10.9%)、輸送機械(同11.7%)の4業種が前月比で二桁の大幅増産計画となっている。一方、5月は予測調査が実施されている11業種のうち化学を除く10業種が前月比でマイナスとなっている。
年明け以降の鉱工業生産は中華圏における春節のタイミングの影響もあり、月々の振れが非常に大きくなっている。1-3月期は前期比ほぼ横ばいにとどまったが、4月の予測指数も合わせて考えると、生産の回復ペースが鈍化したとは言えない。
予測指数を業種別にみると、4月ははん用・生産用・業務用機械(前月比22.0%)、電子部品・デバイス(同12.2%)、情報通信機械(同10.9%)、輸送機械(同11.7%)の4業種が前月比で二桁の大幅増産計画となっている。一方、5月は予測調査が実施されている11業種のうち化学を除く10業種が前月比でマイナスとなっている。
年明け以降の鉱工業生産は中華圏における春節のタイミングの影響もあり、月々の振れが非常に大きくなっている。1-3月期は前期比ほぼ横ばいにとどまったが、4月の予測指数も合わせて考えると、生産の回復ペースが鈍化したとは言えない。
海外経済が製造業を中心に回復基調を強める中、特に世界的なITサイクルが大きく改善していることが日本の輸出、生産を大きく押し上げている。国内需要は依然として力強さに欠けているものの、好調な輸出に支えられる形で国内の生産活動は当面底堅い動きを続ける可能性が高い。
なお、在庫循環図を確認すると、16年7-9月期に「在庫調整局面」から「意図せざる在庫減少局面」に移行した後、3四半期連続で同じ局面に位置しているが、17年1-3月期は「在庫積み増し局面」との境界にあたる45度線に近づく形となった。企業行動が積極化してきたとの評価も可能だが、その一方で、循環的には景気回復局面の後半に入ったという見方も出来る。最終需要が企業の想定を下回った場合には、これまでよりも在庫が積み上がりやすくなっていることには留意が必要だろう。
なお、在庫循環図を確認すると、16年7-9月期に「在庫調整局面」から「意図せざる在庫減少局面」に移行した後、3四半期連続で同じ局面に位置しているが、17年1-3月期は「在庫積み増し局面」との境界にあたる45度線に近づく形となった。企業行動が積極化してきたとの評価も可能だが、その一方で、循環的には景気回復局面の後半に入ったという見方も出来る。最終需要が企業の想定を下回った場合には、これまでよりも在庫が積み上がりやすくなっていることには留意が必要だろう。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2017年04月28日「経済・金融フラッシュ」)
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