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医療の国際数量比較-日本の医療は世界一か?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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4――医療資源の比較
5 イギリスでは、プライマリ・ケアが確立しており、総合医の紹介がなければ、専門医や病院での受診はできない。これは、総合医のゲート・キーピング機能と呼ばれ、医療資源の効率的な使用につながっている。しかし、ドイツやスウェーデンは、この機能が弱いため、医療資源使用の効率化に、つながっていないものと見られる。
6 なお、イギリスは、看護師の定義を変更した影響により、図表上、看護師数が減少している。実際には、漸増している模様。
5――おわりに (私見)
(医療制度) | |
クオリティー面 | 日本は、平均寿命や乳児死亡率が優れており、医療の質は世界トップクラス |
コスト面 | 日本の医療費は、高齢化に伴って、主要国の中位程度まで増加 |
アクセス面 | 日本は、医療機関への受診が容易で、利用頻度が高い |
(医療資源) | |
医療スタッフ面 | 日本は、医師数は少なく、看護師数は他国並みで、薬剤師数は多い |
医療施設面 | 日本は、病院数や病床数が、他国よりも充実 |
医療設備面 | 日本のCTやMRIなどの設備の充実ぶりは、他国を圧倒 |
これらのことから、日本の医療について、次のように、まとめることができる。
なお、医療の国際比較を行うにあたり、統計を用いて定量的に見るだけでは、不十分である。本来的には、統計とともに、医療を含めた、社会保障制度全般について、これまでの歴史・経緯や、今後の制度変更の見通し等を、あわせよむ必要があろう。引き続き、多面的な国際比較を行い、それを踏まえて、今後の日本の医療制度のあり方について、議論を重ねる必要があるものと考えられる。
(2016年02月02日「基礎研レター」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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