2023年03月14日

就労期間の長期化や公金受取口座、年金支給日等が年金ツイートの契機に-「年金」を含むツイートの投稿契機 (2023年2月)

保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫

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4 ―― 単独で投稿されたツイート:年金に関するニュースのほか、年金支給日が投稿契機に

図表6の橙色の線は、単独で投稿された(ツイートやWebページを明示的な投稿契機としていない)年金ツイートの、投稿日別の投稿者数の推移である。

これを見ると、単独で投稿された年金ツイートの投稿者数は、2月15日以外では、ツイートやWebページを投稿契機とした投稿者数と概ね連動している。返信や引用の形式をとらず、URLの記載もないものの、話題になっているツイートを見て、それに対するコメントなどが投稿された可能性が考えられる。

なお、2月15日に単独投稿の投稿者が多くなったのは、同日が年金の支給日であることが影響したと考えられる8。単独投稿のみの傾向であるのと同時に、同月中で最も大きな投稿契機となったと見られる点が、大きな特徴である。
図表6 投稿契機区分別に見た年金ツイートの投稿者数
 
8 同日の投稿者6,661名のうち、1,417名が「支給日」を含むツイートを投稿しており、このうち1,143名が単独投稿だった。

5 ―― 総括

5 ―― 総括:就労期間の長期化や公金受取口座、年金支給日などが投稿契機に

今回の分析対象とした2023年2月の年金ツイートでは、次のような傾向が観察された。
 
  • 2023年2月に投稿された年金ツイートは約15万件で、改革案が話題になった2022年10月の約23万件より少なかったものの、2022年12月(約13万件)や同年11月(約14万件)よりは多かった。
     
  • ツイートを契機とした投稿では、就労期間の長期化や高齢者の負担増などが、多くの人の投稿契機となっていた。
     
  • Webページを契機とした投稿では、年金の振込先が公金受取口座になることなどが、多くの人の投稿契機となっていた。
     
  • ツイートやWebページを明示的な契機にしていない投稿では、年金支給日が多くの人の投稿契機となっていた。
 
このように、ツイートを投稿契機とした年金ツイートとWebページを投稿契機とした年金ツイートに共通する大きな話題がなかったことが、2023年2月の特徴と言えよう。このことから、大きな話題がないときには、Twitterを主な情報源としている人とWebページを主な情報源としている人とで、年金に対する関心が異なる可能性がうかがわれる。この点については、今後も注目していきたい。
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保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫 (なかしま くにお)

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴
  • 【職歴】
     1995年 日本生命保険相互会社入社
     2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
     2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
    (2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

    【社外委員等】
     ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
     ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
     ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
     ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
     ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

    【加入団体等】
     ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
     ・博士(経済学)

(2023年03月14日「基礎研レポート」)

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