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- 鉱工業生産23年1月-輸出低迷の影響で生産は弱い動き
2023年02月28日
1.1月の生産は市場予想を上回る落ち込み
経済産業省が2月28日に公表した鉱工業指数によると、23年1月の鉱工業生産指数は前月比▲4.6%(12月:同0.3%)と3ヵ月ぶりに低下し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲2.7%、当社予想は同▲3.7%)を下回る結果となった。出荷指数は前月比▲3.1%と5ヵ月連続の低下、在庫指数は前月比▲0.9%と2ヵ月連続の低下となった。
1月の生産を業種別に見ると、半導体不足などの供給制約の影響で不安定な動きが続く自動車が前月比▲10.1%(12月:同0.5%)、輸出の減少を背景に半導体製造装置などの生産用機械が同▲13.5%と急速に落ち込んだほか、グローバルなITサイクルの調整を反映し、電子部品・デバイスが同▲4.2%と2ヵ月連続で低下した。電子部品・デバイスの出荷・在庫バランスは悪化傾向が続いている。
なお、1月の生産は、春節が前年よりも早かったことから中国向けの輸出が大きく落ち込んだことが影響しており、実勢以上に大きく落ち込んでいる可能性が高いことには留意が必要だ。
1月の生産を業種別に見ると、半導体不足などの供給制約の影響で不安定な動きが続く自動車が前月比▲10.1%(12月:同0.5%)、輸出の減少を背景に半導体製造装置などの生産用機械が同▲13.5%と急速に落ち込んだほか、グローバルなITサイクルの調整を反映し、電子部品・デバイスが同▲4.2%と2ヵ月連続で低下した。電子部品・デバイスの出荷・在庫バランスは悪化傾向が続いている。
なお、1月の生産は、春節が前年よりも早かったことから中国向けの輸出が大きく落ち込んだことが影響しており、実勢以上に大きく落ち込んでいる可能性が高いことには留意が必要だ。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は22年10-12月期に前期比▲6.9%と4四半期ぶりに低下した後、23年1月は前月比▲5.9%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は22年10-12月期に前期比▲2.4%と2四半期連続で低下した後、23年1月は前月比▲0.1%となった。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期の前期比2.1%、7-9月期の同1.5%の後、10-12月期は同▲0.5%と3四半期ぶりに減少した。高水準の企業収益を背景に、設備投資は基調としては持ち直しが続いていると判断されるが、輸出、生産活動の低迷を受けて製造業を中心にこのところ足踏み状態となっている。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期の前期比2.1%、7-9月期の同1.5%の後、10-12月期は同▲0.5%と3四半期ぶりに減少した。高水準の企業収益を背景に、設備投資は基調としては持ち直しが続いていると判断されるが、輸出、生産活動の低迷を受けて製造業を中心にこのところ足踏み状態となっている。
2.輸出低迷の影響で生産は弱い動きが続く見通し
製造工業生産予測指数は、23年2月が前月比8.0%、3月が同0.7%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(1月)、予測修正率(2月)はそれぞれ▲6.2%、▲2.8%であった。
予測指数を業種別にみると、1月に前月比▲9.9%と大きく落ち込んだ輸送機械は、2月が前月比12.6%、3月が同5.2%の大幅増産計画となっている。実際の生産は予測指数からは下振れるものの、2月以降は持ち直しに向かう公算が大きい。
一方、低迷が続く電子部品・デバイスは、2月に前月比11.5%の高い伸びが見込まれているが(3月:同▲12.3%)、実現率の大幅マイナスが続いている(22年12月:▲8.7%、23年1月:▲10.9%)ことを踏まえると、実際の生産はほぼ横ばいにとどまることが予想される。
23年1月の生産指数を2、3月の予測指数で先延ばしすると、23年1-3月期の生産は前期比1.1%となる。しかし、実際の生産が予測指数から大きく下振れる傾向があることを踏まえれば、1-3月期は2四半期連続の減産となる可能性が高い。個人消費を中心に国内需要が一定の底堅さを維持していること、ゼロコロナ政策の解除を受けて中国向け輸出の持ち直しが見込まれることがプラス材料だが、欧米の景気悪化を背景に輸出の低迷が続く可能性が高いことから、生産は当面弱い動きが続くことが予想される。
一方、低迷が続く電子部品・デバイスは、2月に前月比11.5%の高い伸びが見込まれているが(3月:同▲12.3%)、実現率の大幅マイナスが続いている(22年12月:▲8.7%、23年1月:▲10.9%)ことを踏まえると、実際の生産はほぼ横ばいにとどまることが予想される。
23年1月の生産指数を2、3月の予測指数で先延ばしすると、23年1-3月期の生産は前期比1.1%となる。しかし、実際の生産が予測指数から大きく下振れる傾向があることを踏まえれば、1-3月期は2四半期連続の減産となる可能性が高い。個人消費を中心に国内需要が一定の底堅さを維持していること、ゼロコロナ政策の解除を受けて中国向け輸出の持ち直しが見込まれることがプラス材料だが、欧米の景気悪化を背景に輸出の低迷が続く可能性が高いことから、生産は当面弱い動きが続くことが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2023年02月28日「経済・金融フラッシュ」)
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