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新型コロナへの生活者の不安-全国6千名の定量調査から見えること、不安を軽減させるには
生活研究部 上席研究員 久我 尚子
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4――外出抑制で増えた行動~不安層は外出を控え、TVやネットに触れることでますます不安に
5――おわりに~時には情報を遮断して不安感を不要に高めない、メディア側は退院者数など正の情報も
新型コロナの終息、あるいは収束が見えずに、今、誰しもが不安を抱えている。日々、世界各国で感染者数が増える中で、不安を軽減させることは容易なことではない。一方で、当調査の結果から、生活者自らが不安のスパイラルを回している様子も見えた。まだ不確かな情報も少なくない中では、時には、ある程度、意識的に情報を遮断する時間を作ることも必要ではないか。
未知の感染症との闘いは今後もしばらく続くという見方もある。このような中で、個人ができることは、自分の生活をしっかりと守ることだ。休業給付や個人への貸付、公共料金の支払い猶予等の政府の支援策を十分に把握する一方で、不安感を不要に高めるような情報を自ら探すのではなく、日々の健康管理など、すべきことをしっかりとやっていくことが精神の健康にもつながる。季節は桜の見頃を迎えようとしている。時には桜を見ながら、ほっと一息をつくことが、見えない敵と戦う上で有効なのではないだろうか。
また、情報を出すメディア側には、退院者数やその前日比、治った方やご家族の声など、生活者が安心できる情報も同時に出して頂くことを求めたい。負の情報だけでなく、正の情報もあわせて見ることで、生活者は現状をより冷静に捉えられるのではないか。
(2020年03月23日「基礎研レポート」)
03-3512-1878
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
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