コラム
2020年03月09日

強まる「女性」東京一極集中(2)~転出男女アンバランス 都道府県ランキング-高まる地方男性の未婚化環境-

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー   天野 馨南子

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全国的には居住地変更の結果として、男性の1.3倍の女性が入れ替わっているが・・・

強まる「女性」東京一極集中(1)でも結果を示したが、全国的には男性の1.31倍、女性が多く都道府県間で入れ替っている、という結果となった。2018年の1.35倍に引き続き、女性の地方から都市への定着傾向は変わらないままである。
【図表1】2019年 都道府県間社会移動による居住地変更結果の状況(人)
しかし、男性に比べて多くの女性を社会移動によって失っているアンバランス度合いは道府県によってかなり格差が生じている。

2015年の国勢調査結果では、50歳時点で婚歴のない男性が4人に1人に対し、女性は7人に1人であり、実数でも割合でも男性の未婚化が女性の未婚化を圧倒しているが、このように社会減によって道府県から男性に比べて沢山の女性を出せば出すほど、さらに男性の未婚化傾向は高まることになる。

以上の懸念から、社会減による転出の男女アンバランス度合いに、今回は特に注目してみてみることとしたい。
 
1 2018年の総数における流入超過と男女の内訳が合わないことに関しては、2019年と異なり、男女の転入と転出がプラスマイナス逆になっているエリア(大阪府や群馬県)が存在していることに起因する。総数では転入超過または転出超過のいずれかに属しているエリアが、男性と女性それぞれのケースでは、転入超過と転出超過それぞれ別に属することとなるエリアがでてくることによって生じる。

全国平均以上のアンバランスエリアは19エリア―トップは28倍の格差

社会移動によって人口を減少させた「道府県」39エリアのうち、女性/男性が全国平均である1.3倍以上のアンバランス度合いを示したエリアは19エリアであった。中でも突き抜けたトップは群馬県の2844%であり、男性の28倍以上の女性が県内から減少するという結果となった。

群馬県は男性に比べて女性減少傾向の非常に強いエリアであり、2018年においても男女アンバランス度合いで1位であった。2018年には男性を423人社会増させる一方で、女性は985人マイナスさせるという、男女が正負逆になるほどの傾斜がついている唯一の社会減エリアであった。
【図表2】2019年社会純減エリア 全国平均以上のアンバランス・ランキング(%)
男性の2倍以上の女性が減少した「女性減少突出型エリア」は群馬県、大分県、岩手県、山口県の4エリアである。

女性に比べ男性の未婚化は全国すべてのエリアで顕著であるが、女性定着(出さない、のではなく、流出入バランスをとる)につながる施策を早急に考えなくてはならないエリアといえる。
 
格差が2倍まではいかないものの、男性の1.5倍以上女性が減少したエリアは8エリアであった。北海道、岡山県、鹿児島県、石川県、静岡県、福島県、三重県、岐阜県、である。

この中のあるエリアからは、「結婚応援イベントを開催しても男性しかこない」という女性不足の状況に陥っているとの報告も受けている。

通常、男性よりも女性の方が結婚活動イベントには積極参加がみられる2中で、それでも女性が集まらない、という状況は重く受け止めなければならない。
 
2 結婚関連イベントへの参加において女性が多い傾向から「女性の方が結婚できない、未婚化している」という誤った未婚化の認識をもつ支援者がいる。統計的には逆であり、結婚イベントへの参加意欲・関心度の高さなど行動選好の違いによって参加格差が起きている。女性の方が男性より積極的に結婚イベントにでてくる傾向があるからこそ、結果的に女性の方が未婚化していない、という見方もできる。
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生活研究部   人口動態シニアリサーチャー

天野 馨南子 (あまの かなこ)

研究・専門分野
人口動態に関する諸問題-(特に)少子化対策・東京一極集中・女性活躍推進

(2020年03月09日「研究員の眼」)

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