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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(6月号)~輸出は旧正月明けの反動増続くも、増勢は鈍化傾向
2018年06月08日
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18年4月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比13.0%増(前月:同10.5%増)と、2ヵ月連続の二桁増となった(図表1)。輸出は昨年、海外経済の回復や半導体需要の増加、一次産品の価格上昇が全体を押し上げるなど総じて好調を維持しているが、足元ではスマートフォン需要の減速など増勢が鈍化しつつある。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、中華圏の旧正月の影響で低調だった東アジア向け(同17.5%増)が反動増となったほか、EU向け(同16.7%増)と北米向け(同22.1増)もそれぞれ上昇した(図表2)。一方、これまで輸出を牽引してきた東南アジア向け(同9.7%増)が低下し、7ヵ月ぶりの一桁増となった。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、中華圏の旧正月の影響で低調だった東アジア向け(同17.5%増)が反動増となったほか、EU向け(同16.7%増)と北米向け(同22.1増)もそれぞれ上昇した(図表2)。一方、これまで輸出を牽引してきた東南アジア向け(同9.7%増)が低下し、7ヵ月ぶりの一桁増となった。
タイの18年4月の輸出額は前年同月比12.3%増と、前月の同7.1%増から上昇し、2ヵ月ぶりの二桁増となった。輸出の基調は、海外経済の回復を背景に需要が拡大した電子機器や、価格が上昇した石油製品を中心に増加傾向を維持しているが、昨年後半ほどの勢いは見込みにくくなってきている。一方、輸入額が前年同月比20.4%増(前月:同9.4%増)と上昇した結果、貿易収支は12.8億ドルの赤字となり、前月から25.5億ドル減少した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.2%増(前月:同7.7%増)と上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、前月低調だった自動車・部品(同17.2%増)と機械・装置(同12.3%増)が大きく上昇すると共に、石油化学製品(同25.0%増)と電子機器(同20.7%増)が高水準を維持した。また鉱業・燃料は同28.7%増(前月:同49.8%増)と、石油製品を中心に9ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同9.8%増(前月:同3.3%減)とプラスに転じた。天然ゴム(同12.3%減)や加工食品(同2.6%増)が鈍化したものの、ゴム製品(同22.2%増)が大幅に上昇、コメ(同19.1%増)も好調だった。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.2%増(前月:同7.7%増)と上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、前月低調だった自動車・部品(同17.2%増)と機械・装置(同12.3%増)が大きく上昇すると共に、石油化学製品(同25.0%増)と電子機器(同20.7%増)が高水準を維持した。また鉱業・燃料は同28.7%増(前月:同49.8%増)と、石油製品を中心に9ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同9.8%増(前月:同3.3%減)とプラスに転じた。天然ゴム(同12.3%減)や加工食品(同2.6%増)が鈍化したものの、ゴム製品(同22.2%増)が大幅に上昇、コメ(同19.1%増)も好調だった。
ベトナムの18年4月の輸出額は前年同月比4.5%増と、高水準だった前月(同22.3%増)から大きく低下した。輸出の伸び率は、主力の電気・電子製品を中心に好調に推移してきたが、昨年10月にピークアウトして緩やかな伸びへと落ち着きつつある。一方、輸入額も前年同月比1.1%減(前月:同1.7%増)とマイナスとなった。結果として、貿易収支は前月の11.6億ドルの黒字となり、前月から10.9億ドル縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同20.3%減と、好調だった前月の同70.9%増から一転して大幅マイナスとなった。一方、コンピュータ・電子部品は同9.2%増(前月:同1.0%増)と再び上昇した。アパレル関連では、織物・衣類が同13.3%増(前月:同10.2%増)と上昇したほか、履物が同8.7%増(前月:同9.4%増)と堅調な伸びを維持した。農産品では、コメ(同46.0%増)が好調、水産物(同8.1%増)と野菜(同8.5%増)も堅調に拡大した一方、コーヒー(同8.4%減)が低迷し、ゴム(同4.6%増)も緩やかな伸びに止まるなど、品目毎のバラツキが大きい傾向にある。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同4.5%増(前月:同22.3%増)、地場企業が同0.3%増(前月:同25.9%増)と、それぞれ鈍化した。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同20.3%減と、好調だった前月の同70.9%増から一転して大幅マイナスとなった。一方、コンピュータ・電子部品は同9.2%増(前月:同1.0%増)と再び上昇した。アパレル関連では、織物・衣類が同13.3%増(前月:同10.2%増)と上昇したほか、履物が同8.7%増(前月:同9.4%増)と堅調な伸びを維持した。農産品では、コメ(同46.0%増)が好調、水産物(同8.1%増)と野菜(同8.5%増)も堅調に拡大した一方、コーヒー(同8.4%減)が低迷し、ゴム(同4.6%増)も緩やかな伸びに止まるなど、品目毎のバラツキが大きい傾向にある。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同4.5%増(前月:同22.3%増)、地場企業が同0.3%増(前月:同25.9%増)と、それぞれ鈍化した。
マレーシアの18年4月の輸出額は前年同月比29.2%増と、前月の同16.2%増から上昇し、10ヵ月連続の二桁増となった。輸出の伸び率は、電気・電子製品の需要拡大や燃料価格上昇の影響で好調に推移している。一方、輸入額も前年同月比23.7%増と、前月の同2.7%増から上昇した結果、貿易収支は33.6億ドルの黒字と、前月から4.0億ドル縮小した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同38.9%増(前月:同24.4%増)と、主力の電気・電子製品(同37.4%増)を中心に再び上昇した(図表8)。また化学製品が同28.5%増(前月:同21.9%増)、動植物性油脂が同12.9%増(前月:同5.5%増)が、それぞれ上昇した。さらに鉱物性燃料についても同22.0%増(前月:同4.2%増)と上昇した。天然ガス(0.8%増)こそ低調だったものの、原油(同39.1%増)と石油製品(同57.4%増)が再び上昇した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同38.9%増(前月:同24.4%増)と、主力の電気・電子製品(同37.4%増)を中心に再び上昇した(図表8)。また化学製品が同28.5%増(前月:同21.9%増)、動植物性油脂が同12.9%増(前月:同5.5%増)が、それぞれ上昇した。さらに鉱物性燃料についても同22.0%増(前月:同4.2%増)と上昇した。天然ガス(0.8%増)こそ低調だったものの、原油(同39.1%増)と石油製品(同57.4%増)が再び上昇した。
インドネシアの18年4月の輸出額は前年同月比9.0%増(前月:同6.2%増)と上昇した。輸出の伸び率は世界経済回復による需要拡大とコモディティの価格上昇を受けて堅調に推移してきたが、足元では主力の輸出品であるパーム油やゴム製品が落ち込むなど、全体では増勢が鈍化しつつある。一方、輸入額は前年同月比34.7%増(前月:同8.9%増)と上昇した結果、貿易収支は16.3億ドルの赤字と、前月から27.5億ドル減少した(図表9)。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同14.5%増(前月:同11.5%減)と上昇した。非石油ガスの内訳を見ると、まず輸出全体の7割を占める製造品が同7.5%増(前月:同2.3%増)と上昇した。製造品では、主力の動植物性油脂(同10.1%減)とゴム製品(同19.4%減)が落ち込んだものの、機械類(同18.3%増)や自動車(同19.3%増)が大きく上昇した。また農産品が同8.2%増(前月:同3.2%減)と上昇してプラスに転じたほか、鉱業品が同12.9%増(前月:同45.0%増)と鉱石、スラグ及び灰を中心に高水準を維持した。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同14.5%増(前月:同11.5%減)と上昇した。非石油ガスの内訳を見ると、まず輸出全体の7割を占める製造品が同7.5%増(前月:同2.3%増)と上昇した。製造品では、主力の動植物性油脂(同10.1%減)とゴム製品(同19.4%減)が落ち込んだものの、機械類(同18.3%増)や自動車(同19.3%増)が大きく上昇した。また農産品が同8.2%増(前月:同3.2%減)と上昇してプラスに転じたほか、鉱業品が同12.9%増(前月:同45.0%増)と鉱石、スラグ及び灰を中心に高水準を維持した。
(2018年06月08日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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