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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(6月号)~輸出は旧正月明けの反動増続くも、増勢は鈍化傾向
2018年06月08日
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シンガポールの18年4月の輸出額(石油と再輸出除く)は前年同月比18.8%増(前月:同3.5%増)と上昇した。輸出は医薬品の変動が大きいために上下に振れているが、総じて石油化学製品を中心に増加傾向を維持している。なお、総輸出額は前年同月比17.0%増(前月:同5.8%増)、総輸入額が同18.2%増(前月:同6.2%増)となり、それぞれ上昇した。結果として、貿易収支は46.1億ドルの黒字と、前月から1.6億ドル改善した(図表11)。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別に見ると、まず全体の約3割を占める電子製品は同1.1%減(前月:同1.2%減)と低迷した(図表12)。電子製品の内訳を見ると、PC(同9.3%増)と通信機器(同12.3%増)は堅調に拡大したものの、主力のIC(同0.4%増)が低調であり、PC部品(同38.9%減)とダイオード・トランジスタ(同15.0%減)は落ち込んだ。また電子製品と同じく全体の約3割を占める化学は同35.7%増(前月:同10.6%増)と大きく上昇した。化学製品の内訳を見ると、医薬品が同52.7%増(前月:同5.0%増)、石油化学製品が同22.3%増(前月:同5.4%増)と、それぞれ大幅に上昇した。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別に見ると、まず全体の約3割を占める電子製品は同1.1%減(前月:同1.2%減)と低迷した(図表12)。電子製品の内訳を見ると、PC(同9.3%増)と通信機器(同12.3%増)は堅調に拡大したものの、主力のIC(同0.4%増)が低調であり、PC部品(同38.9%減)とダイオード・トランジスタ(同15.0%減)は落ち込んだ。また電子製品と同じく全体の約3割を占める化学は同35.7%増(前月:同10.6%増)と大きく上昇した。化学製品の内訳を見ると、医薬品が同52.7%増(前月:同5.0%増)、石油化学製品が同22.3%増(前月:同5.4%増)と、それぞれ大幅に上昇した。
フィリピンの18年4月の輸出額は前年同月比8.5%減と、前月(同8.2%減)に続いて減少した。輸出は主力の電子製品こそ底堅い伸びを維持しているものの、全体では昨年後半から伸び悩み、足元ではマイナス圏に突入している。一方、輸入額は前年同月比22.2%増(前月:同0.1%増)と大きく低下した結果、貿易収支は36.1億ドルの赤字となり、前月から10.1億ドル赤字が拡大した(図表13)。こうした貿易赤字の拡大傾向は同国の通貨ペソに減価圧力がかかる一因となっている。
輸出シェア上位10品目を見ると、まず輸出全体の約5割を占める電子製品は同5.5%増(前月:同6.8%増)と底堅く推移している(図表14)。電子製品の内訳を見ると、主力の半導体デバイス(同5.3%増)が持ち直し、電子データ処理機(同7.6%増)と計測制御機器(同6.9%増)も堅調だった。その他9品目は総じて減少した品目が多かった。その他製造品(同71.9%増)とその他鉱物製品(同3.3%増)、金属部品(同2.4%増)が増加した一方、機械・輸送用機器(同45.0%減)や金(同25.2%減)、イグニッション・ワイヤーセット(同24.4%減)、ココナッツオイル(同23.9%減)、電子機械・部品(同1.0%減)が減少した。
輸出シェア上位10品目を見ると、まず輸出全体の約5割を占める電子製品は同5.5%増(前月:同6.8%増)と底堅く推移している(図表14)。電子製品の内訳を見ると、主力の半導体デバイス(同5.3%増)が持ち直し、電子データ処理機(同7.6%増)と計測制御機器(同6.9%増)も堅調だった。その他9品目は総じて減少した品目が多かった。その他製造品(同71.9%増)とその他鉱物製品(同3.3%増)、金属部品(同2.4%増)が増加した一方、機械・輸送用機器(同45.0%減)や金(同25.2%減)、イグニッション・ワイヤーセット(同24.4%減)、ココナッツオイル(同23.9%減)、電子機械・部品(同1.0%減)が減少した。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年06月08日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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