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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化
2018年05月09日
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シンガポールの18年3月の輸出額(石油と再輸出除く)は前年同月比3.9%増(前月:同0.2%増)となり、旧正月の影響で鈍化した2月から小幅に上昇した。輸出は主力の電子製品と医薬品が上下に振れているが、石油化学製品を中心に総じて増加傾向を維持している。なお、総輸出額が前年同月比6.0%増と前月(同6.0%増)から横ばいとなった一方、総輸入額は同6.5%増(前月:同12.2%増)と低下した。結果として、貿易収支は44.5億ドルの黒字と、前月から11.7億ドル改善した(図表11)。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別に見ると、まず全体の約3割を占める電子製品は同0.7%減(前月:同6.5%減)と引き続きマイナスとなった(図表12)。電子製品の内訳を見ると、PC(同33.0%増)が好調を維持、通信機器(同13.6%増)がプラスに転じる一方、主力のIC(同0.1%増)が奮わず、PC部品(同47.9%減)とダイオード・トランジスタ(同19.4%減)は落ち込んだ。また電子製品と同じく全体の約3割を占める化学は同10.5%増(前月:同0.6%減)と大きく上昇した。化学製品の内訳を見ると、医薬品が同5.0%増(前月:同1.5%減)、石油化学製品が同5.4%増(前月:同6.7%減)と、それぞれプラスに転じた。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別に見ると、まず全体の約3割を占める電子製品は同0.7%減(前月:同6.5%減)と引き続きマイナスとなった(図表12)。電子製品の内訳を見ると、PC(同33.0%増)が好調を維持、通信機器(同13.6%増)がプラスに転じる一方、主力のIC(同0.1%増)が奮わず、PC部品(同47.9%減)とダイオード・トランジスタ(同19.4%減)は落ち込んだ。また電子製品と同じく全体の約3割を占める化学は同10.5%増(前月:同0.6%減)と大きく上昇した。化学製品の内訳を見ると、医薬品が同5.0%増(前月:同1.5%減)、石油化学製品が同5.4%増(前月:同6.7%減)と、それぞれプラスに転じた。
フィリピンの18年3月の輸出額は前年同月比13.4%減と、前月の同1.8%減から一段と減少した。輸出は主力の電子製品こそ堅調に拡大しているものの、通貨ペソ安の影響などから全体では昨年後半から伸び悩み、足元ではマイナス圏に突入している。一方、輸入額は前年同月比4.1%減(前月:同18.6%増)と大きく低下した結果、貿易収支は27.2億ドルの赤字となり、前月から3.4億ドル赤字が縮小した(図表13)。
輸出シェア上位10品目を見ると、まず輸出全体の約5割を占める電子製品は同6.8%増(前月:同4.6%増)と上昇し、底堅く推移している(図表14)。電子製品の内訳を見ると、主力の半導体デバイス(同2.6%増)が低調だったものの、電子データ処理機(同10.9%増)と計測制御機器(同7.1%増)が堅調に拡大した。その他9品目は総じて減少した品目が多かった。精錬銅(同8.1%増)と電子機械・部品(5.8%増)が増加した一方、機械・輸送用機器(同44.6%減)や金(同33.8%減)、ココナッツオイル(同30.3%減)、イグニッション・ワイヤーセット(同28.9%減)、その他製造品(同24.5%減)、その他鉱物製品(同21.5%減)、金属部品(同1.5%減)が減少した。
輸出シェア上位10品目を見ると、まず輸出全体の約5割を占める電子製品は同6.8%増(前月:同4.6%増)と上昇し、底堅く推移している(図表14)。電子製品の内訳を見ると、主力の半導体デバイス(同2.6%増)が低調だったものの、電子データ処理機(同10.9%増)と計測制御機器(同7.1%増)が堅調に拡大した。その他9品目は総じて減少した品目が多かった。精錬銅(同8.1%増)と電子機械・部品(5.8%増)が増加した一方、機械・輸送用機器(同44.6%減)や金(同33.8%減)、ココナッツオイル(同30.3%減)、イグニッション・ワイヤーセット(同28.9%減)、その他製造品(同24.5%減)、その他鉱物製品(同21.5%減)、金属部品(同1.5%減)が減少した。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年05月09日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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