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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(2月号)~輸出は増勢鈍化も、半導体を中心に好調を維持
2018年02月09日
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インドネシアの17年12月の輸出額は前年同月比6.9%増(前月:同13.5%増)と低下した。輸出の伸び率は、コモディティの価格上昇と需要拡大を受けて二桁成長が続いていたものの、12月は機械類や電気機械の輸出が落ち込んで6ヵ月連続ぶりの一桁増となった。一方、輸入額は前年同月比10.3%増(前月:同13.7%増)と小幅の低下に止まった結果、貿易収支は2.7億ドルの赤字と、前月から4.9億ドル減少した(図表9)。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同20.8%増(前月:同16.0%増)と上昇した(図表10)。非石油ガスでは、輸出全体の7割を占める製造品が同2.1%増(前月:同13.6%増)と大幅に低下した。
製造品の内訳を見ると、鉄鋼製品(同14.6%増)と宝飾品(同15.3%増)は好調だったが、機械類(同3.1%増)や電気機械(同6.1%減)、動植物性油脂(同11.7%減)がそれぞれ低下した。農産品は同23.0%減(前月:同12.2%減)とマイナス幅が拡大した一方、鉱業品は同28.5%増(前月:同19.0%増)と鉱石、スラグ及び灰を中心に一段と上昇した。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同20.8%増(前月:同16.0%増)と上昇した(図表10)。非石油ガスでは、輸出全体の7割を占める製造品が同2.1%増(前月:同13.6%増)と大幅に低下した。
製造品の内訳を見ると、鉄鋼製品(同14.6%増)と宝飾品(同15.3%増)は好調だったが、機械類(同3.1%増)や電気機械(同6.1%減)、動植物性油脂(同11.7%減)がそれぞれ低下した。農産品は同23.0%減(前月:同12.2%減)とマイナス幅が拡大した一方、鉱業品は同28.5%増(前月:同19.0%増)と鉱石、スラグ及び灰を中心に一段と上昇した。
シンガポールの17年12月の輸出額(石油と再輸出除く)は前年同月比10.0%増と、前月の同13.5%増から低下したものの、3ヵ月連続の二桁増を維持した。輸出の伸び率は主力の電子製品と医薬品が上下に振れているものの、石油化学製品の堅調な拡大が続いており、総じて増加基調は続いている。なお、総輸出額が前年同月比7.3%増(前月:同14.0%増)と低下する一方、総輸入額が同8.4%増(前月:同15.1%増)と低下した結果、貿易収支は33.3億ドルの黒字と、前月から0.8億ドル黒字が増加した(図表11)。
輸出(石油と再輸出除く)を品目別に見ると、まず全体の約3割を占める電子製品は同1.0%増と、前月の同9.4%増から低下した(図表12)。電子製品の内訳を見ると、PC(同17.7%増)と通信機器(同19.6%増)が好調を維持する一方、IC(同0.3%増)やPC部品(同22.9%減)とダイオード・トランジスタ(同2.5%減)が低迷した。一方、電子製品と同じく全体の約3割を占める化学は同14.3%増(前月:同14.3%増)と引き続き好調だった。化学製品の内訳を見ると、医薬品が同14.1%増(前月:同7.4%増)と大きく上昇する一方、石油化学製品が同6.0%増(前月:同8.6%増)と鈍化した。
フィリピンの17年12月の輸出額は前年同月比4.9%減と、前月の同2.7%増から低下した。輸出は電子製品こそ好調が続いているものの、昨年後半から伸び悩み、12月には約1年ぶりのマイナスに転じた。一方、輸入額は前年同月比17.6%増(前月:同20.1%増)と低下したものの、引き続き高水準を記録した。結果、貿易収支は40.2億ドルの赤字と、前月から1.7億ドル減少した(図表13)。
輸出シェア上位10品目を見ると、まず輸出全体の約5割を占める電子製品は同15.0%増と、前月の同12.4%増から上昇した(図表14)。電子製品の内訳を見ると、計測制御機器(同13.1%減)が減少しているものの、主力の半導体デバイス(同18.9%増)と通信機器(同36.1%増)が好調を維持、電子データ処理機(同6.1%増)も上昇した。
その他9品目については電極や金(同198.8%増)、機械・輸送用機器(同62.8%増)、電子機械・部品(20.3%増)、雑製品(同10.6%増)が増加した一方、ココナッツオイル(同56.7%減)、イグニッション・ワイヤーセット(同27.1%減)、その他製造品(同24.4%減)、金属部品(同3.0%減)が減少するなど、総じて増加した品目が多かった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年02月09日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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