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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ
2018年01月10日
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17年11月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比15.9%増と、前月の同19.6%増から低下したものの、5ヵ月連続の二桁増を記録した(図表1)。輸出は海外経済の回復を背景に幅広い品目で増加傾向を続けるなか、足元では半導体需要の増加や一次産品の価格上昇が輸出全体を押し上げている。もっとも6カ国の輸出を牽引してきたベトナムでは新型スマートフォン関連の輸出がピークアウトしたかに見え、一段の上昇は見込みにくくなってきている。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、各地域向けで増加傾向が続いている(図表2)。13ヵ月連続の二桁増となった東アジア向け(同16.0%増)を中心に、東南アジア向け(同23.1%増)や北米向け(同11.7%増)、EU向け(同9.4%増)がそれぞれ高水準を維持している。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、各地域向けで増加傾向が続いている(図表2)。13ヵ月連続の二桁増となった東アジア向け(同16.0%増)を中心に、東南アジア向け(同23.1%増)や北米向け(同11.7%増)、EU向け(同9.4%増)がそれぞれ高水準を維持している。
タイの17年11月の輸出額は前年同月比13.4%増と、前月の同13.1%増から小幅に上昇して、7ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出の伸びは電子機器や自動車・同部品、天然ゴム・同製品を中心に好調が続いており、バーツ高の影響は軽微にとどまっている。一方、輸入額も前年同月比13.7%増(前月:同13.5%増)と小幅に上昇した結果、貿易収支は17.6億ドルの黒字となり、前月から15.5億ドル黒字が増加した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同13.3%増(前月:同13.8%増)と小幅に低下したものの、好調を維持している(図表4)。工業製品の内訳を見ると、機械・装置(同5.2%減)が減少した一方、航空機・船舶・機関車(同351.1%増)や電子機器(同24.2%増)、自動車・部品(同14.6%増)、石油化学製品(同12.7%増)が高い伸びとなった。また鉱業・燃料は同21.5%増(前月:同40.1%増)と低下したものの、石油製品を中心に4ヵ月連続の二桁増となった。一方、農産品・加工品は同12.1%増(前月:同4.6%増)と上昇して3ヵ月ぶりの二桁増となった。コメ(同49.7%増)と加工食品(同13.5%増)が大きく上昇したほか、天然ゴム(同14.1%増)とゴム製品(同39.9%増)が好調を維持した。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同13.3%増(前月:同13.8%増)と小幅に低下したものの、好調を維持している(図表4)。工業製品の内訳を見ると、機械・装置(同5.2%減)が減少した一方、航空機・船舶・機関車(同351.1%増)や電子機器(同24.2%増)、自動車・部品(同14.6%増)、石油化学製品(同12.7%増)が高い伸びとなった。また鉱業・燃料は同21.5%増(前月:同40.1%増)と低下したものの、石油製品を中心に4ヵ月連続の二桁増となった。一方、農産品・加工品は同12.1%増(前月:同4.6%増)と上昇して3ヵ月ぶりの二桁増となった。コメ(同49.7%増)と加工食品(同13.5%増)が大きく上昇したほか、天然ゴム(同14.1%増)とゴム製品(同39.9%増)が好調を維持した。
ベトナムの17年11月の輸出額は前年同月比24.1%増と、前月の同32.0%増から低下したものの、10ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出は16年後半に主力の電気・電子製品が勢いを取り戻してから政府目標(17年は+6~7%)を上回る伸びが続いているが、足元では新型スマートフォン関連の輸出がピークアウトしたかに見え、先行きは好調を維持しつつも増勢が鈍化すると見込まれる。一方、輸入額は前年同月比18.2%増(前月:同14.2%増)と上昇した結果、貿易収支は6.0億ドルの黒字となり、前月から15.8億ドル黒字が縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同40.6%増と高水準ながらも、前月の同85.5%増から鈍化した(図表6)。コンピュータ・電子部品は同32.4%増(前月:同26.7%増)と上昇し、18カ月連続の二桁増となった。アパレル関連では織物・衣類が同15.0%増(前月:同15.8%増)、履物が同12.6%増(前月:同13.4%増)と、それぞれ高い伸びを維持している。農産品ではコーヒー(同12.7%減)とコショウ(同32.6%減)が落ち込む一方、コメ(同27.9%増)や野菜(同59.3%増)、カシューナッツ(同21.9%増)などが好調に推移している。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同25.5%増(前月:同36.6%増)、地場企業が同1.8%増(前月:同20.7%増)と、それぞれ低下した。
輸出を品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同40.6%増と高水準ながらも、前月の同85.5%増から鈍化した(図表6)。コンピュータ・電子部品は同32.4%増(前月:同26.7%増)と上昇し、18カ月連続の二桁増となった。アパレル関連では織物・衣類が同15.0%増(前月:同15.8%増)、履物が同12.6%増(前月:同13.4%増)と、それぞれ高い伸びを維持している。農産品ではコーヒー(同12.7%減)とコショウ(同32.6%減)が落ち込む一方、コメ(同27.9%増)や野菜(同59.3%増)、カシューナッツ(同21.9%増)などが好調に推移している。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同25.5%増(前月:同36.6%増)、地場企業が同1.8%増(前月:同20.7%増)と、それぞれ低下した。
マレーシアの17年11月の輸出額は前年同月比18.7%増と、前月の同17.2%増から上昇して5ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出の伸び率は年央こそ宗教行事の影響で上下に振れたものの、主力の電気・電子製品を中心に好調に推移している。一方、輸入額も前年同月比19.5%増と、前月の同19.3%増から若干上昇した結果、貿易収支は23.9億ドルの黒字と、前月から0.8億ドル黒字が縮小した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同25.2%増(前月:同16.1%増)となり、主力の電気・電子製品(同25.6%増)を中心に一段と上昇した(図表8)。また化学製品も同24.9%増(前月:同17.4%増)と上昇した。一方、鉱物性燃料は同7.0%増(前月:同24.2%増)と鈍化した。天然ガス(11.6%増)が好調だったものの、原油(同0.6%増)と石油製品(同4.0%増)が伸び悩んだ。また動植物性油脂は同1.1%減(前月:同7.0%増)とパーム油を中心に低下した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同25.2%増(前月:同16.1%増)となり、主力の電気・電子製品(同25.6%増)を中心に一段と上昇した(図表8)。また化学製品も同24.9%増(前月:同17.4%増)と上昇した。一方、鉱物性燃料は同7.0%増(前月:同24.2%増)と鈍化した。天然ガス(11.6%増)が好調だったものの、原油(同0.6%増)と石油製品(同4.0%増)が伸び悩んだ。また動植物性油脂は同1.1%減(前月:同7.0%増)とパーム油を中心に低下した。
(2018年01月10日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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