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2017年01月23日
【東南アジア経済】ASEANの消費者物価(1月号)~資源価格上昇を背景とする緩やかな上昇が続く
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インドネシアの16年12月のCPI上昇率は前年同月比3.02%増(前月:同3.58%増)と低下した(図表2)。CPI上昇率は9月以降、天候不順や光熱費の上昇によって上昇傾向が続いていたが、12月は政府の価格統制の影響で4ヵ月ぶりの低下となった。主要品目別に見ると、食材が同5.69%増(前月:同8.53%増)と大きく低下した。政府の価格統制によって香辛料が同34.6%増(前月:同66.4%増)と低下するなど、幅広い品目で低下傾向がみられた。また加工食品・飲料・タバコは同5.38%増(前月:同5.43%増)、住宅・電気・ガス・燃料も同1.90%増(前月:2.12%増)とそれぞれ若干低下した。一方、運輸・通信・金融は同0.72%減(前月:同1.38%減)とマイナス幅が縮小した。
食料品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は同3.07%増(前月:同3.07%増)と、年明け以降は緩やかな低下基調にある。
1月18-19日に開かれた中央銀行の理事会(金融政策会合)では、CPI上昇率が中央銀行の2016年のインフレ目標(4±1%)の下限まで低下しているものの、米新政権発足を前にした国際金融市場の不透明感の高まりを考慮して政策金利を据え置いた。
タイの16年12月のCPI上昇率は前年同月比1.13%増(前月:同0.60%増)と、2014年11月ぶりの1%台まで上昇した。(図表3)。CPI上昇率は16年以降、原油価格の上昇を背景に緩やか上昇傾向が続いている。主要品目別に見ると、運輸・通信が同3.01%増(前月:同0.46%増)とガソリン価格の値上げを受けて大きく上昇した。一方、食品・飲料は同1.36%増(前月:同1.49%増)と、野菜・果物の価格上昇が和らいだことから小幅に低下した。なお、住宅・家具も同1.18%減と引き続き低迷したほか、たばこ・酒類は同12.98%増と昨年2月のタバコの物品税引き上げを受けて二桁増が続いている。
なお、コアCPI上昇率(生鮮食品とエネルギー除く)は同0.74%増(前月:同0.72%増)と若干上昇したものの、概ね1%を下回る水準で安定している。
CPI上昇率は、タイ銀行(中央銀行)のインフレ目標の範囲内(1-4%)まで上昇したが、その要因は生鮮食品とエネルギー価格によるものであり、依然として景気の回復力は緩慢であることが分かる。中央銀行は17年のインフレ率が1.5%と緩やかな上昇に止まり、物価目標の下方で推移すると予測している。
マレーシアの16年12月のCPI上昇率は前年同月比1.8%増と、前月(同1.8%増)から横ばいとなった(図表4)。CPI上昇率の基調としては、昨年3月~7月にかけて景気低迷やGST(物品・サービス税)導入による物価押上げ効果の剥落により低下した後、食品価格や原油価格を中心にごく緩やかな上昇傾向にある。主要品目別に見ると、運輸は同0.6%減(前月:同1.5%減)と、自動車維持コストの上昇を受けてマイナス幅が縮小した。一方、食品・飲料は同3.7%増(前月:同3.8%増)と、小幅に低下した。食品・飲料の内訳を見ると、食用油の補助金廃止の影響を受けた油脂(同36.9%増)の高騰が続いているものの、コメ(同0.7%増)や肉類(同3.0%増)の低下が全体を押下げている。なお、住宅・光熱は同2.1%増と、5ヵ月連続の横ばいで安定している。
食品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は同2.1%増(前月:同2.2%増)と若干低下し、低位で安定した推移が続いている。
1月18-19日の金融政策委員会(MPC)では、中央銀行は2017年のインフレ率が原油価格の上昇を背景に2016年の2.1%を上回ると示し、政策金利を据え置いた。中央銀行は、最近のリンギ安に対しては金融引締めではなく、企業に対するリンギの両替義務など規制の導入で対応している。
(2017年01月23日「経済・金融フラッシュ」)
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