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- Jリートは4年ぶりに下落。2015年訪日外国人客数は47%増加-不動産クォータリー・レビュー2015年第4四半期
2016年02月04日
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1. 経済動向と住宅市場
2015年7-9月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比年率1.0%に上方修正され、2四半期連続のマイナスは回避された。しかし、2015年10-12月期は消費関連を中心に低調な指標が多く、再びマイナス成長に陥る可能性がある1。総務省の家計調査によると、12月の実質消費支出は冬物衣料の低迷などから前年比▲4.4%となり4カ月連続で減少した2(図表-1)。
ニッセイ基礎研究所は、昨年12月に2015年度から2017年度の経済見通しの改定を行った。実質GDP成長率は2015年度1.1%、2016年度1.6%、2017年度0.0%を予想する(図表-2)3。2016年度の成長率は企業の設備投資拡大や消費税率引き上げ前の駆け込み需要から高くなるが、2017年度はその反動から大きく低下する見通しである。
ニッセイ基礎研究所は、昨年12月に2015年度から2017年度の経済見通しの改定を行った。実質GDP成長率は2015年度1.1%、2016年度1.6%、2017年度0.0%を予想する(図表-2)3。2016年度の成長率は企業の設備投資拡大や消費税率引き上げ前の駆け込み需要から高くなるが、2017年度はその反動から大きく低下する見通しである。
住宅市場は価格が上昇するなか、全体ではまだら模様の状況が続く。2015年12月の新設住宅着工戸数は前年比▲1.3%の75,452戸となった。2015年は前年比1.9%増加の約90.9万戸となり、消費増税の影響で大幅に減少した昨年から持ち直した(図表-3)。このうち、貸家は4年連続で増加の+4.6%、分譲マンションは+4.7%と2年ぶりに増加した。
2015年の首都圏のマンション新規発売戸数は、前年比▲9.9%の40,449戸となり2年連続で減少した。1戸当たりの平均価格は前年比9.1%上昇の5,518万円で1991年以来の高い水準となった。不動産経済研究所は、2016年の供給戸数を6.3%増加の4.3万戸と予想している(図表-4)。
東日本不動産流通機構(レインズ)によると、2015年第4四半期の首都圏中古マンションの成約件数は8,391件(前年同期比+5.1%)、2015年は3万4,776件(前年比+2.9%)で2年ぶりに増加した(図表-5)。成約価格は前年比+6.1%の2,892万円となり3年連続で上昇した。
また、日本不動産研究所が発表した2015年11月の住宅価格指数(首都圏の中古マンション)は、前月比で7カ月連続の上昇、前年比では2年6カ月連続で上昇している(図表-6)。
今後の住宅市場は、来年の消費増税対策として実施されるすまい給付金増額や住宅取得の贈与税非課税枠拡大、マイナス金利導入後の住宅ローン金利の動向、タワーマンションの節税規制の影響などが注目される。
2015年の首都圏のマンション新規発売戸数は、前年比▲9.9%の40,449戸となり2年連続で減少した。1戸当たりの平均価格は前年比9.1%上昇の5,518万円で1991年以来の高い水準となった。不動産経済研究所は、2016年の供給戸数を6.3%増加の4.3万戸と予想している(図表-4)。
東日本不動産流通機構(レインズ)によると、2015年第4四半期の首都圏中古マンションの成約件数は8,391件(前年同期比+5.1%)、2015年は3万4,776件(前年比+2.9%)で2年ぶりに増加した(図表-5)。成約価格は前年比+6.1%の2,892万円となり3年連続で上昇した。
また、日本不動産研究所が発表した2015年11月の住宅価格指数(首都圏の中古マンション)は、前月比で7カ月連続の上昇、前年比では2年6カ月連続で上昇している(図表-6)。
今後の住宅市場は、来年の消費増税対策として実施されるすまい給付金増額や住宅取得の贈与税非課税枠拡大、マイナス金利導入後の住宅ローン金利の動向、タワーマンションの節税規制の影響などが注目される。
1 斎藤太郎『家計調査15年11月~11月の消費関連指標は総じて弱め』ニッセイ基礎研究所、経済・金融フラッシュ、2015年12月25日
2 被服及び履物▲16.8%、光熱・水道▲10.7%、交通・通信▲7.5%、教養娯楽▲3.9%など
3 斎藤太郎『2015~2017年度経済見通し~15年7-9月期GDP2次速報後改定』ニッセイ基礎研究所、Weekly エコノミスト・レター、2015年12月8日
2. 地価動向
商業用不動産に対する投資意欲は引き続き強く、インバウンド需要を取り込む店舗・ホテルへの投資拡大や都市部におけるマンション需要などを背景に地価の上昇が続く。国土交通省の「地価LOOKレポート(平成27年第3四半期)」によると、前期から上昇した地区の比率は、東京圏で95%、大阪圏で88%、名古屋圏で100%、地方圏で65%、全体で87%となり、下落地区は5期連続でゼロであった(図表-7)。
野村不動産アーバンネットによると、首都圏住宅地価格の変動率(2016年1月1日時点)は前期比0.5%上昇し2013年7月以降連続でプラスとなっている。年間の変動率は首都圏全体で1.8%上昇し、東京都区部など全てのエリアで価格が上昇した(図表-8)。
野村不動産アーバンネットによると、首都圏住宅地価格の変動率(2016年1月1日時点)は前期比0.5%上昇し2013年7月以降連続でプラスとなっている。年間の変動率は首都圏全体で1.8%上昇し、東京都区部など全てのエリアで価格が上昇した(図表-8)。
(2016年02月04日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1858
経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
2005年 ニッセイ基礎研究所
2019年4月より現職
【加入団体等】
・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
岩佐 浩人のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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