- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国経済:2016年の注目ポイント~構造改革の進捗とそれに伴う3つのリスク(雇用不安、金融不安、消費失速)に注目!
中国経済:2016年の注目ポイント~構造改革の進捗とそれに伴う3つのリスク(雇用不安、金融不安、消費失速)に注目!
三尾 幸吉郎
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.2015年の経済概況(GDP)
2.ここもとの景気動向(供給面)
一方、非製造業PMI(商務活動指数)を見ると、2015年は図表-6に示したように拡張・収縮の境界となる50%を上回るレベル(単純平均すれば53.6%)と堅調に推移し、景気を下支えする要因となった。直近12月の非製造業PMIは54.4%と11月の53.6%を大きく上回り、非製造業は足元でさらに改善した模様である。但し、同時に発表された12月の予想指数は58.3%と11月よりも1.7ポイント低下しており、先行きに対する不安が浮上してきた。しかし、レベルが依然として高いことから、非製造業は今のところ堅調を維持していると見て良いだろう。
従って、2015年の中国経済を供給面から総括すると、製造業の動きが冴えず工業生産も昨年の伸びを大きく下回ったが、非製造業の堅調に下支えされて減速幅は小幅に留まったといえるだろう。
3.ここもとの景気動向(需要面)
一方、海外需要を見るために、輸出の動きを確認してみると、世界経済の低迷を受けて2015年の輸出金額(ドルベース)は前年比2.9%減に落ち込んだ。直近12月は前年同月比1.6%減とマイナス幅は縮小したものの前年割れが続いた(図表-10)。先行指標となる製造業PMI(新規輸出受注)も15ヵ月連続で50%を下回っており、先行きにも明るさは見えてこない。従って、2015年の中国経済を需要面から総括すると、輸出の不振が足かせとなり、投資も大きく減速したが、消費の堅調に下支えされて減速幅は小幅に留まったといえるだろう。
1 中国では、統計方法の改定時に新基準で計測した過去の数値を公表しない場合が多く、また1月からの年度累計で公表される統計も多い。本稿では、四半期毎の伸びを見るためなどの目的で、ニッセイ基礎研究所で中国国家統計局などが公表したデータを元に推定した数値を掲載している。またその場合には“(推定)”と付して公表された数値と区別している。
(2016年01月29日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/10/01 | 図表でみる世界の出生率-出生率が高い国・地域と低い国・地域、それぞれにどんな特徴があるのか? | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2025/05/23 | 図表でみる世界の外為レート-世界各地の通貨をランキングすると、日本円はプラザ合意を上回るほどの割安で、人民元はさらに安い | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2025/04/15 | 図表でみる世界の民主主義-日本の民主主義指数は上昇も、世界平均は低下。世界ではいったい何が起きているのか? | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年11月04日
今週のレポート・コラムまとめ【10/28-10/31発行分】 -
2025年10月31日
交流を広げるだけでは届かない-関係人口・二地域居住に求められる「心の安全・安心」と今後の道筋 -
2025年10月31日
ECB政策理事会-3会合連続となる全会一致の据え置き決定 -
2025年10月31日
2025年7-9月期の実質GDP~前期比▲0.7%(年率▲2.7%)を予測~ -
2025年10月31日
保険型投資商品の特徴を理解すること(欧州)-欧州保険協会の解説文書
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【中国経済:2016年の注目ポイント~構造改革の進捗とそれに伴う3つのリスク(雇用不安、金融不安、消費失速)に注目!】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済:2016年の注目ポイント~構造改革の進捗とそれに伴う3つのリスク(雇用不安、金融不安、消費失速)に注目!のレポート Topへ
















