2016年03月08日

2016・2017年度経済見通し~15年10-12月期GDP2次速報後改定

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
<実質成長率:2015年度0.7%、2016年度1.2%、2017年度0.0%を予想>
 
  1. 2015年10-12月期の実質GDP(2次速報値)は、設備投資、民間在庫の上方修正などから1次速報の前期比▲0.4%(年率▲1.4%)から前期比▲0.3%(年率▲1.1%)へと上方修正された。
     
  2. GDP2次速報の結果を受けて、2月に発表した経済見通しの改定を行った。実質GDP成長率は2015年度が0.7%、2016年度が1.2%、2017年度が0.0%と予想する。2015年10-12月期の実績値の上方修正を受けて2015年度の見通しを0.1%上方修正した。
     
  3. 2016年1-3月期は前期比年率0.8%のプラス成長を予想するが、うるう年の影響を除けばほぼゼロ成長と考えられる。円安効果の一巡などから好調を続けてきた企業収益が4年ぶりの減益となるなど、アベノミクスは正念場を迎えている。
     
  4. 消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は原油価格の下落を主因として2016年度半ば頃までマイナスが続くだろう。原油価格下落の影響が一巡する2016年度後半にプラスに転じた後1%程度まで伸びを高めるが、2017年度は消費税率引き上げに伴う景気減速の影響から伸び率が鈍化する可能性が高い。年度ベースでは2015年度が0.0%、2016年度が0.2%、2017年度が0.9%(消費税率引き上げの影響を除く)と予想する。
 
実質GDP成長率の推移(年度)

■目次

1. 2015年10-12月期は前期比年率▲1.1%へ上方修正
  ・企業部門の改善に陰り
2. 実質成長率は2015年度0.7%、2016年度1.2%、2017年度0.0%
  ・2015年度の成長率見通しを上方修正
  ・物価の見通し
 
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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