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- 企業物価指数2025年10月~コメ価格は高止まりが継続~
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2025年11月13日
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■要旨
■目次
1.国内企業物価の上昇率は前年比2.7%
2.円安の影響により、円ベースの輸入物価は前月比2.5%
3.先行きの国内企業物価の上昇率は鈍化すると予想
- 2025年10月の国内企業物価は、前年比2.7%(9月:同2.8%)と上昇率は前月から0.1ポイント縮小した。
- コメ価格は高止まりが継続しており、農林水産物は前年比31.4%(9月:同31.9%)となった。また、飲食料品は前年比4.8%(9月:同4.8%)と高い伸びが続いている。
- 10月の為替相場は、対ドルでは151円台(前月比2.2%)と9月から円安ドル高が加速したことで、円ベースの輸入物価は前月比2.5%(9月:同0.3%)と4ヵ月連続のプラスとなった。
- 足もとで円安ドル高が進行しているため、輸入物価は上昇しており、さらなる上昇リスクに留意が必要だが、コメを中心に食料品価格は鈍化していくことが見込まれ、国内企業物価の前年比上昇率は次第に低下していくと予想する。
■目次
1.国内企業物価の上昇率は前年比2.7%
2.円安の影響により、円ベースの輸入物価は前月比2.5%
3.先行きの国内企業物価の上昇率は鈍化すると予想
1.国内企業物価の上昇率は前年比2.7%
日本銀行が11月13日に発表した企業物価指数によると、2025年10月の国内企業物価は、前年比2.7%(9月:同2.8%)と上昇率は前月から0.1ポイント縮小した。内訳をみると、23類別中18類別が上昇、4類別が低下、1類別が横ばいとなった。コメは高い伸びが続いている。精米は前年比44.4%(9月:同44.8%)、玄米は同54.2%(9月:同59.9%)と高止まりが続いており、農林水産物は前年比31.4%(9月:同31.9%)となった。そのほか、チョコレート(前年比37.2%)、コーヒー(同32.1%)、バター(同12.4%)、ルウ(同11.1%)などが2ケタの伸びとなり、飲食料品は前年比4.8%(9月:同4.8%)と高い伸びが継続している。
2.円安の影響により、円ベースの輸入物価は前月比2.5%
10月の契約通貨ベースの輸入物価は、前年比▲2.5%(9月:同▲3.5%)と14ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、原油が前年比▲5.6%と14ヵ月連続のマイナス、ナフサが同▲10.4%となったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前年比▲10.4%(9月:同▲12.9%)と14ヵ月連続のマイナスとなった。
一方、前月比では0.7%(9月:同0.1%)と前月から伸びが拡大した。内訳をみると、原油が前月比2.4%、ジェット燃料油が同3.7%と上昇したことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比0.8%(9月:同▲0.1%)とプラスに転じた。また、銅が前月比3.4%(9月:同▲8.0%)とプラスに転じ、金地金が同9.7%(9月:同9.4%)、パラジウムが同21.9%(9月:同5.0%)とプラス幅が拡大したことなどから、金属・同製品は前月比3.2%となった。
10月の為替相場は、対ドルでは151円台(前月比2.2%)と9月から円安ドル高が加速したことで、円ベースの輸入物価は前月比2.5%(9月:同0.3%)と4ヵ月連続のプラスとなった。前年比では▲1.5%(9月:同▲1.1%)と6月の同▲12.0%からマイナス幅が大きく縮小している。
一方、前月比では0.7%(9月:同0.1%)と前月から伸びが拡大した。内訳をみると、原油が前月比2.4%、ジェット燃料油が同3.7%と上昇したことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比0.8%(9月:同▲0.1%)とプラスに転じた。また、銅が前月比3.4%(9月:同▲8.0%)とプラスに転じ、金地金が同9.7%(9月:同9.4%)、パラジウムが同21.9%(9月:同5.0%)とプラス幅が拡大したことなどから、金属・同製品は前月比3.2%となった。
10月の為替相場は、対ドルでは151円台(前月比2.2%)と9月から円安ドル高が加速したことで、円ベースの輸入物価は前月比2.5%(9月:同0.3%)と4ヵ月連続のプラスとなった。前年比では▲1.5%(9月:同▲1.1%)と6月の同▲12.0%からマイナス幅が大きく縮小している。
3.先行きの国内企業物価の上昇率は鈍化すると予想
先行きの国内企業物価は、鈍化に向かうことが予想される。政府の経済対策を確認すると、与野党6党で合意したガソリン税にかかる旧暫定税率が12月末に廃止される。また、冬場の電気・ガス料金の支援についても検討されており、これらの政策は物価の押し下げ要因となる。
国内企業物価の前年比寄与度をみると、農林水産物が1.39%ptと最もプラスに寄与しているが、コメは前年の急上昇の裏が出やすいことから、コメ価格の前年比の伸びは次第に鈍化していくことが見込まれる。
足もとで円安ドル高が進行しているため、輸入物価は上昇しており、さらなる上昇リスクに留意が必要だが、コメを中心に食料品価格は鈍化していくことが見込まれ、国内企業物価の前年比上昇率は次第に低下していくと予想する。
国内企業物価の前年比寄与度をみると、農林水産物が1.39%ptと最もプラスに寄与しているが、コメは前年の急上昇の裏が出やすいことから、コメ価格の前年比の伸びは次第に鈍化していくことが見込まれる。
足もとで円安ドル高が進行しているため、輸入物価は上昇しており、さらなる上昇リスクに留意が必要だが、コメを中心に食料品価格は鈍化していくことが見込まれ、国内企業物価の前年比上昇率は次第に低下していくと予想する。
(2025年11月13日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2020年4月 株式会社横浜銀行
2024年9月 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
佐藤 雅之のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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