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- 英国GDP(2025年4-6月期)-前期比0.3%でプラス成長を維持
2025年08月15日
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1.結果の概要:前期比では0.3%増に減速もプラス成長を維持
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様。
2.結果の詳細:駆け込み需要の反動は予想よりも軽微で、6月には高めの成長率を記録
英国の4-6月期の実質成長率は前期比0.3%(年率換算1.4%)となり、関税政策の実施前の駆け込み需要など2で成長率が押し上げられていた1-3月期(前期比0.7%、年率3.0%)から減速した。4-6月期の実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月)と比べて4.5%ほど高い水準まで回復した。ただし、ユーロ圏各国と比較すると相対的に回復は遅れている(図表2)。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、前期比では個人消費が0.1%(前期0.3%)、政府消費が1.2%(前期▲0.4%)、投資が▲1.1%(前期2.0%)、輸出が1.6%(前期3.3%)、輸入が1.4%(前期2.0%)、前期比寄与度は在庫変動等が0.20%ポイント(前期▲0.11%ポイント)、純輸出が0.02%ポイント(前期0.34%ポイント)となった。在庫変動が成長率を押し上げた形であり、個人消費や投資は力強さに欠けた。
コロナ禍前比で見ると個人消費が2.3%、政府消費が13.4%、投資が5.9%、輸出が▲1.5%、輸入が12.2%で、輸出の回復が相対的に遅れている。
前期比成長率を需要項目別に確認すると、前期比では個人消費が0.1%(前期0.3%)、政府消費が1.2%(前期▲0.4%)、投資が▲1.1%(前期2.0%)、輸出が1.6%(前期3.3%)、輸入が1.4%(前期2.0%)、前期比寄与度は在庫変動等が0.20%ポイント(前期▲0.11%ポイント)、純輸出が0.02%ポイント(前期0.34%ポイント)となった。在庫変動が成長率を押し上げた形であり、個人消費や投資は力強さに欠けた。
コロナ禍前比で見ると個人消費が2.3%、政府消費が13.4%、投資が5.9%、輸出が▲1.5%、輸入が12.2%で、輸出の回復が相対的に遅れている。
成長率を部門ごとに確認すると、農林水産部門が前期比1.0%(前期0.5%)、生産部門が同▲0.3%(前期1.3%)、建設部門が1.2%(前期0.3%)、サービス部門が同0.4%(前期0.7%)となった。生産部門が高めの成長を記録した前期からマイナス成長に転じたが、その他の部門はいずれもプラス成長を達成した(図表3)。より細かい産業分類では、住居・飲食(2.4%)、水道(2.1%)、情報通信(2.0%)、その他サービス(1.7%)が高めの成長率を記録、一方で電気・ガス(▲6.8%)、卸・小売(▲0.9%)はマイナス成長が目立った。
単月の状況を月次GDPで確認すると4月が前月比▲0.1%、5月が同▲0.1%、6月が同0.4%となり6月が高めの伸びとなった3(図表4)。
単月の状況を月次GDPで確認すると4月が前月比▲0.1%、5月が同▲0.1%、6月が同0.4%となり6月が高めの伸びとなった3(図表4)。
名目GDPは、4-6月期の前期比で0.8%(前期は1.5%)、前年比で5.3%(前期5.7%)、デフレータは前期比0.4%(前期0.8%)、前年同期比4.1%(前期4.4%)となり、デフレータの減速傾向が継続している(図表5)。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比1.3%(前期2.0%)、営業余剰は同▲0.1%(前期▲0.1%)となり、営業余剰はマイナス成長が続いている。
2 4月からの住宅購入に伴う印紙税の増税(課税基準額の変更)も駆け込み需要の一因。
3 ONSは、6月に軍事関連製造が顕著に増えた点を指摘している。
名目GDPを所得別に見ると、雇用者報酬が前期比1.3%(前期2.0%)、営業余剰は同▲0.1%(前期▲0.1%)となり、営業余剰はマイナス成長が続いている。
2 4月からの住宅購入に伴う印紙税の増税(課税基準額の変更)も駆け込み需要の一因。
3 ONSは、6月に軍事関連製造が顕著に増えた点を指摘している。
(2025年08月15日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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