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- 鉱工業生産22年8月-7-9月期は大幅増産へ
2022年09月30日
1.8月の生産は市場予想を上回る
経済産業省が9月30日に公表した鉱工業指数によると、22年8月の鉱工業生産指数は前月比2.7%(7月:同0.8%)と3ヵ月連続で上昇し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比0.2%、当社予想は同▲1.0%)を大きく上回る結果となった。出荷指数は前月比1.9%と3ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比1.4%と3ヵ月連続の上昇となった。8月の鉱工業生産指数は99.5となり、コロナ禍前のピークの水準(20年1月の99.1)を上回った。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は22年4-6月期の前期比1.3%の後、7月が前月比6.9%、8月が同4.2%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は22年4-6月期の前期比3.8%の後、7月が前月比▲3.1%、8月が同1.8%となった。22年7、8月の平均を22年4-6月期と比較すると、建設財は▲1.5%低いが、資本財(除く輸送機械)は13.7%高い水準となっている。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期に前期比2.0%と2四半期ぶりに増加した。高水準の企業収益を背景に設備投資は持ち直しの動きが続いており、7-9月期も高めの伸びとなる可能性が高い。
消費財出荷指数は22年4-6月期の前期比▲1.7%の後、7月が前月比2.4%、8月が同1.3%となった。8月は耐久消費財(前月比0.6%)、非耐久消費財(同1.6%)がともに上昇した。消費財出荷指数の22年7、8月の平均は22年4-6月期よりも3.8%高い。
まん延防止等重点措置の終了を受けて、22年4-6月期のGDP統計の民間消費は、外食、宿泊等の対面型サービス消費を中心に前期比1.2%の高い伸びとなった。7月以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて人出の動きはやや停滞している。しかし、政府が特別な行動制限を課していないこともあり、これまでの感染拡大時のような落ち込みは見られない。7-9月期の民間消費は4-6月期に比べれば伸びは鈍化するものの、プラスの伸びは確保する可能性が高い。
GDP統計の設備投資は、22年4-6月期に前期比2.0%と2四半期ぶりに増加した。高水準の企業収益を背景に設備投資は持ち直しの動きが続いており、7-9月期も高めの伸びとなる可能性が高い。
消費財出荷指数は22年4-6月期の前期比▲1.7%の後、7月が前月比2.4%、8月が同1.3%となった。8月は耐久消費財(前月比0.6%)、非耐久消費財(同1.6%)がともに上昇した。消費財出荷指数の22年7、8月の平均は22年4-6月期よりも3.8%高い。
まん延防止等重点措置の終了を受けて、22年4-6月期のGDP統計の民間消費は、外食、宿泊等の対面型サービス消費を中心に前期比1.2%の高い伸びとなった。7月以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて人出の動きはやや停滞している。しかし、政府が特別な行動制限を課していないこともあり、これまでの感染拡大時のような落ち込みは見られない。7-9月期の民間消費は4-6月期に比べれば伸びは鈍化するものの、プラスの伸びは確保する可能性が高い。
2.7-9月期は大幅増産も、先行きの回復ペースは緩やかにとどまる公算
製造工業生産予測指数は、22年9月が前月比2.9%、10月が同3.2%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(8月)、予測修正率(9月)はそれぞれ▲3.4%、▲1.4%であった。
予測指数を業種別にみると、6月、7月と2ヵ月連続で前月比二桁の高い伸びとなった後、8月に同▲0.8%と回復が一服した輸送機械は、9月が前月比▲7.5%、10月が同11.7%と一進一退の動きが見込まれている。9、10月の予測指数を大きく押し上げているのは電気・情報通信機械(9月:前月比10.4%、10月:同8.3%)だが、同業種は生産計画の大幅な下振れ(実現率は6月が▲10.7%、7月が▲8.0%、8月が▲7.7%)が続いており、実際の生産は予測指数の伸びを大きく下回る可能性が高い。
予測指数を業種別にみると、6月、7月と2ヵ月連続で前月比二桁の高い伸びとなった後、8月に同▲0.8%と回復が一服した輸送機械は、9月が前月比▲7.5%、10月が同11.7%と一進一退の動きが見込まれている。9、10月の予測指数を大きく押し上げているのは電気・情報通信機械(9月:前月比10.4%、10月:同8.3%)だが、同業種は生産計画の大幅な下振れ(実現率は6月が▲10.7%、7月が▲8.0%、8月が▲7.7%)が続いており、実際の生産は予測指数の伸びを大きく下回る可能性が高い。
22年8月の生産指数を9月の予測指数で先延ばしすると、22年7-9月期の生産は前期比7.0%の高い伸びとなる。実際の生産は予測指数から大きく下振れる傾向があるが、7-9月期は2四半期ぶりの増産となり、4-6月期の落ち込み(前期比▲2.7%)を取り戻すことが見込まれる。
鉱工業生産は、先行きも回復が続くことが予想される。ただし、供給制約が完全に解消されるまでには時間を要すること、欧米を中心とした海外経済の減速を背景に輸出の伸び悩みが続くことから、そのペースは当面緩やかにとどまる可能性が高い。
鉱工業生産は、先行きも回復が続くことが予想される。ただし、供給制約が完全に解消されるまでには時間を要すること、欧米を中心とした海外経済の減速を背景に輸出の伸び悩みが続くことから、そのペースは当面緩やかにとどまる可能性が高い。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2022年09月30日「経済・金融フラッシュ」)
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