- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 国際通貨としてのアジアデジタル共通通貨
国際通貨としてのアジアデジタル共通通貨
大阪経済大学経済学部教授 ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘
国際協力機構専門家 アジア開発銀行コンサルタント 乾 泰司
わが国経済の国際的な地位の低下から発言力の低下が指摘されるなかで、国際金融界での貢献を果たし、地位向上をもたらすPlanとActionが求められている。東京都の国際金融都市構想などはその一例であろう。本稿では、その一環としてアジアの金融市場の育成を目指す「アジアデジタル共通通貨(ADCC)」をあらためて提案している。我々の提案は、共通通貨としての経済的なメリットとともに、国際的な公共財である国際通貨を国際的に管理するという理想を提案するものである。また金融統合というと通貨統合に目が行きがちだが、決済システムなどの金融インフラの整備・統合が重要であり、我々の提案は決済システムのリンクに加え、アジアデジタル共通通貨建ての債券の発行などにより金融インフラ面の統合にも貢献することにも力点をおいている。
JEL:E42, F33, F36
キーワード:デジタル通貨、共通通貨、国際公共財としての国際通貨、デジタル通貨の通貨主権、金融政策の独立性
1 本研究で髙橋は、学術振興会科研費(20H05633)の支援を受けている。また本稿は神戸大学経済研究所ディスカッションペーパー(DP2022-J03)を転載したものである。
2 本稿の作成には多くの方との議論を参考にしている。当初からの共同研究者であった石田護氏(伊藤忠商事理事)に感謝したい。また、20年秋、21年秋金融学会全国大会でコメントをいただいた中島真志教授(麗澤大学)、神津多可思氏(証券アナリスト協会)、そのほかコメントを寄せていただいた方々に厚く感謝したい。
■目次
1――はじめに
2――アジアデジタル共通通貨
2.1 概要:デジタル通貨と債券の流通
2.2 国際通貨体制としての意義:国際公共財としての国際通貨は多国間管理を
2.3 金融資本市場育成の意義:金融統合としてのインフラ整備
2.4 通貨主権との関係:デジタル時代の通貨主権
2.5 為替レートと金融政策:金融政策の独立
3――BISのmCBDCについて:ADCCとの比較
4――結語に代えて
大阪経済大学経済学部教授 ニッセイ基礎研究所 客員研究員 高橋 亘
国際協力機構専門家 アジア開発銀行コンサルタント 乾 泰司
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月23日
気候変動-温暖化の情報提示-気候変動問題の科学の専門家は“ドラマが少ない方向に誤る?” -
2024年04月23日
今後お金をかけたいもの・金融資産 -
2024年04月23日
今週のレポート・コラムまとめ【4/16-4/22発行分】 -
2024年04月22日
2024年3月、グローバル株式市場は上昇が継続 -
2024年04月22日
米インフレは下げ渋り-コアインフレは足元でインフレ加速の兆し。今後の動向は原油に加え、家賃や賃金が鍵
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【国際通貨としてのアジアデジタル共通通貨】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
国際通貨としてのアジアデジタル共通通貨のレポート Topへ