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なお、21年7-9月期の実質成長率に対する寄与度を見ると、最終消費が+3.86ポイント、総資本形成(≒投資)が▲0.03ポイント、純輸出が+1.06ポイントと、最終消費が最大のプラス寄与項目だった。コロナ危機から持ち直す過程にあった20年4-9月期には投資が最大のプラス寄与項目だったが、20年10-12月期以降は4四半期連続で最終消費が最大となっている。ただし、足元では投資がマイナス寄与に転じたのに加えて、最終消費のプラス寄与も減じてきており、経済成長の勢いは顕著に鈍化してきている。
一方、投資に関しては底が見えない状況にある。製造業の投資は堅調だが、不動産開発投資とインフラ投資が落ち込んでいる。不動産開発投資にブレーキが掛かった背景には前述した不動産規制の強化がある。中国政府は商業銀行に対し過剰な貸し渋りを慎むように指導しているものの、「住宅は住むためのものであって投機のためのものではない」という基本方針を堅持しており、不動産開発投資は底割れする恐れもある。他方、インフラ投資は底打ちする可能性がでてきた。地方債発行が加速し、全国各地で大型建設事業が着工し、「両新一重(新型インフラ、新型都市化、交通・水利などの大型建設工事)」が動き出した兆しがあるからだ。したがって、不動産開発投資は引き続き経済成長の足かせとなりそうだが、インフラ投資が底打ちすることで、投資は低位ながらもプラス成長を維持できると見ている。
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三尾 幸吉郎
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(2022年01月06日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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