2020年02月28日

鉱工業生産20年1月-1月の生産は事前予想を上回るが、1-3月期は減産へ

経済研究部 経済調査部長   斎藤 太郎

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1.1月の生産は2ヵ月連続の上昇

経済産業省が2月28日に公表した鉱工業指数によると、20年1月の鉱工業生産指数は前月比0.8%(1月:同1.2%)と2ヵ月連続で上昇し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比0.2%、当社予想は同0.1%)を上回る結果となった。出荷指数は前月比0.2%と2ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比1.5%と2ヵ月連続の上昇となった。
鉱工業生産・出荷・在庫指数の推移 1月の生産を業種別に見ると、世界的な設備投資低迷に伴う資本財輸出の弱さを反映し、生産用機械(前月比▲3.4%)、汎用・業務用機械(同▲2.8%)は落ち込んだほか、在庫調整の進展を受けて持ち直していた電子部品・デバイスも前月比▲1.3%の低下となった。一方、19年後半に大きく落ち込んだ自動車(前月比5.5%)、鉄鋼(同3.6%)がその反動もあり高い伸びとなったことが生産全体を押し上げた。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は19年10-12月期の前期比▲6.2%の後、20年1月は前月比▲5.1%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は19年10-12月期の前期比▲3.8%の後、20年1月は前月比▲1.6%となった。20年1月の水準を19年10-12月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は0.4%高いが、建設財は▲2.4%低い。
財別の出荷動向 19年10-12月期のGDP統計の設備投資は前期比▲3.7%の大幅減少となった。現時点では20年1-3月期の設備投資は前期の落ち込みの反動もあり、前期比でプラスに転じると予想しているが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で下振れする可能性がある。

消費財出荷指数は19年10-12月期の前期比▲5.8%の後、20年1月は前月比3.0%となった。耐久財(前月比8.1%)、非耐久財(同2.9%)ともに高い伸びとなった。

消費税率引き上げ後の消費関連指標を確認すると、10月に駆け込み需要の反動に台風19号の影響が加わり大きく落ち込んだ後、11月以降は緩やかな持ち直しが続いているが、2月以降は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で旅行、外食などのサービスを中心として大きく落ち込むことは避けられないだろう。

GDP統計の民間消費は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動などから、19年10-12月期に前期比▲2.9%の大幅減少となった。現時点では、20年1-3月期は小幅ながら2四半期連続の減少となることを予想している。

2.1-3月期は3四半期連続の減産を予想

製造工業生産予測指数は、20年2月が前月比5.3%、3月が同▲6.9%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(1月)、予測修正率(2月)はそれぞれ▲2.5%、▲1.4%であった。
最近の実現率、予測修正率の推移 20年1月の生産指数を2、3月の予測指数で先延ばしすると、20年1-3月期の生産は前期比2.4%となる。今回の予測指数は2/10時点で調査されており、新型コロナウィルスの影響がある程度反映されているが、状況は日々深刻化しており、実際の生産は大きく下振れる公算が大きい。

鉱工業生産は2ヵ月連続で上昇したが、依然として消費税率引き上げ前の水準を大きく下回っている。輸出の低迷に国内需要の悪化が加わったことから生産は弱い動きが続いていると判断される。

先行きについては、駆け込み需要の反動が和らぐことがプラス要因となるものの、中国工場の操業停止に伴うサプライチェーンの寸断や各種イベントの中止、旅行のキャンセルなどによる国内消費冷え込みの影響がそれを大きく上回るだろう。

現時点では、20年1-3月期は19年10-12月期(前期比▲4.1%)に比べればマイナス幅は縮小するものの、3四半期連続の減産を予想している。
 
 

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

(2020年02月28日「経済・金融フラッシュ」)

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