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- 女性の生活満足度を決めるのは何か?~共働き編-何より時間のゆとり、お金で時間を作ることは自分への投資にも
2020年02月25日
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■要旨
■目次
1――はじめに~共働き女性の生活満足度の決定要因は?
2――共働き女性全体の結果
~生活満足度は(1)時間のゆとり、(2)経済的豊かさ、(3)安定した心が高める
3――属性別に見た結果
~パートタイム妻は配偶者の年収、高年収妻は開放性や世帯金融資産の影響も
1|年代別の結果~いずれも時間のゆとり、年齢とともに扶養控除枠で働く妻が増える
ため配偶者の年収も
2|雇用形態別の結果~パート・アルバイトは配偶者年収、正社員は本人年収が生活
満足度を高める
3|年収別の結果~年収500万円以上では時間のゆとりより開放性の高さ(前向きな
姿勢)や世帯金融資産
4―おわりに
~時間のゆとりを作るためにお金を費やすのは自分への投資、退職すると生涯所得▲2億円
- 共働き女性の生活満足度の高めるのは、(1)時間のゆとり、(2)世帯金融資産、(3)心の安定、(4)年齢の若さ、(5)配偶者の年収、(6)体力、(7)協調性の高さ、(8)開放性(前向きな姿勢)の高さと、(9)病気・療養中の家族がいないことである。女性全体と同様、時間のゆとりの影響が経済的な豊かさを上回り、かつ、時間のゆとりの影響がより大きい。
- 年代別に見ても、いずれも時間のゆとりの影響が最も大きく、次いで、40歳代までは世帯金融資産、50歳代では配偶者の年収である。年齢が高いほど、パートタイムで働く妻が増えるため、家計における配偶者の年収の重要性が高まるため、生活満足度へ与える配偶者の年収の影響は大きくなる。
- 雇用形態別に見ても、いずれも時間のゆとりや世帯金融資産の影響が大きいが、パート・アルバイトでは次いで配偶者の年収が、正社員・正職員では本人年収が続く。また、義理の実家や実家との距離は、パート・アルバイトでは遠い方が、正社員・正職員では近い方が生活満足度は高まる傾向がある。フルタイムで働く女性は義理の実家の手なども借りて両立を図れる方が生活満足度は高まるのかもしれない。
- 年収別には、年収500万円未満では時間のゆとり、年収500万円以上では開放性の高さ(前向きな姿勢)の影響が最も大きい。時間のゆとりの影響は、日常生活で時間のゆとりがない割合が最も高い年収300~500万円未満で大きい。また、高年収層では時間のゆとりよりも世帯金融資産の影響が大きいが、これは、高年収層では、経済的余裕から、家事代行サービスの利用など、お金で時間を買えることがあるのだろう。
- 日常的に家事代行などを利用できる女性は限られるだろうが、子どもが小さいうちだけ、繁忙期だけ、水回りの掃除など家事の一部だけなどと割り切って、お金を出して時間を作ることで、時間のゆとりが生まれ、生活満足度を高めることができる。また、時間にお金を費やすことは、仕事と家庭の両立に向けた自分自身への投資とも言える。
■目次
1――はじめに~共働き女性の生活満足度の決定要因は?
2――共働き女性全体の結果
~生活満足度は(1)時間のゆとり、(2)経済的豊かさ、(3)安定した心が高める
3――属性別に見た結果
~パートタイム妻は配偶者の年収、高年収妻は開放性や世帯金融資産の影響も
1|年代別の結果~いずれも時間のゆとり、年齢とともに扶養控除枠で働く妻が増える
ため配偶者の年収も
2|雇用形態別の結果~パート・アルバイトは配偶者年収、正社員は本人年収が生活
満足度を高める
3|年収別の結果~年収500万円以上では時間のゆとりより開放性の高さ(前向きな
姿勢)や世帯金融資産
4―おわりに
~時間のゆとりを作るためにお金を費やすのは自分への投資、退職すると生涯所得▲2億円
(2020年02月25日「基礎研レター」)
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03-3512-1878
経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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