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- 消費者物価(全国18年9月)-コアCPI上昇率は当面1%程度で推移
2018年10月19日
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1.コアCPI上昇率は7ヵ月ぶりの1%
コアCPIの内訳をみると、電気代(8月:前年比3.1%→9月:同3.6%)、ガス代(8月:前年比2.6%→9月:同2.8%)、ガソリン(8月:前年比16.2%→9月:同17.3%)、灯油(8月:前年比22.3%→9月:同23.2%)の上昇幅がいずれも前月から拡大したため、エネルギー価格の上昇率は8月の前年比7.4%から同8.1%へと高まった。
2.上昇品目数の割合が再び50%を上回る

上昇品目数の割合は18年8月に14年6月以来、約4年ぶりに50%を下回った(14年6月の数値は消費税率引き上げの影響を除いた筆者による試算値)が、9月には再び50%を上回った。ただし、その水準は依然として低く、物価上昇に裾野の広がりは見られない。
3.コアCPI上昇率は当面1%程度で推移も、上昇ペースの加速は見込まれず
コアCPI上昇率は7ヵ月ぶりの1%となったが、その主因はエネルギー価格の上昇幅拡大である。
既往の原油高の影響から電気代、ガス代の上昇率が高まっていることに加え、9月以降の原油価格の急上昇を受けて、ガソリン、灯油価格もこのところ大幅に上昇している。エネルギー価格の上昇率は10月には前年比9%程度(9月は同8.1%)となった後、高止まりが続き、コアCPI上昇率に対するエネルギーの寄与は18年度末まで0.7%程度で推移することが見込まれる。
一方、賃金との連動性が高く、コアCPIの5割以上を占めるサービス価格は低い伸びが続いており、18年9月は前年比0.2%となった。コアCPI上昇率はエネルギー価格の高止まりを主因として、当面1%程度の推移が続くことが予想されるが、2%に向けて上昇ペースが加速する可能性は極めて低いだろう。
既往の原油高の影響から電気代、ガス代の上昇率が高まっていることに加え、9月以降の原油価格の急上昇を受けて、ガソリン、灯油価格もこのところ大幅に上昇している。エネルギー価格の上昇率は10月には前年比9%程度(9月は同8.1%)となった後、高止まりが続き、コアCPI上昇率に対するエネルギーの寄与は18年度末まで0.7%程度で推移することが見込まれる。
一方、賃金との連動性が高く、コアCPIの5割以上を占めるサービス価格は低い伸びが続いており、18年9月は前年比0.2%となった。コアCPI上昇率はエネルギー価格の高止まりを主因として、当面1%程度の推移が続くことが予想されるが、2%に向けて上昇ペースが加速する可能性は極めて低いだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年10月19日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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