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- 企業物価指数(2018年8月)~国内企業物価の上昇基調は一服~
1.国内企業物価は上昇基調が一服
前月比では0.0%(7月:同0.4%)の横ばい。7~9月に適用される夏季電力料金の引き上げの影響を除いたベースでは前月比0.0%(7月:同0.2%)となり、伸び率は5月の同0.5%をピークに3ヵ月連続で鈍化した。国内企業物価の上昇基調は一服している。
国内企業物価の前月比寄与度をみると、電力・都市ガス・水道と素材(その他)のプラス寄与を非鉄金属と石油・石炭製品のマイナス寄与が打ち消し、全体では横ばいとなった。
2.輸入物価は5ヵ月ぶりに下落
石油・石炭・液化天然ガス(7月:前月比0.6%→8月:同0. 5%)は、石油・同製品(前月比▲0.1%)が小幅に下落したものの、天然ガス(同3.5%)の上昇を受けてプラスを維持している。金属・同製品(7月:前月比▲0.3%→8月:同▲5.4%)は、金属素材(前月比▲10.0%)や非鉄金属(同▲3.9%)の下落を受けて、下落率が大きく拡大した。
輸入物価(契約通貨ベース)の前月比寄与度をみると、石油・石炭・天然ガスのプラス寄与が縮小する中、金属・同製品が輸入物価の下落に大きく寄与した。
原油価格は米国のイラン経済制裁による供給懸念などから高値圏で推移しているものの伸び率が鈍化しており、非鉄金属は米中貿易摩擦の懸念などから軟調に推移していることから、輸入物価は横ばい圏での推移が続くと見込まれる。また、足もとのドル円相場は動意に乏しく輸入物価に与える影響は限定的となろう。
3.先行きは川上から川下への上昇圧力が弱まる
川上にあたる素原材料の大幅上昇を受けて、緩やかながら川下の最終財への価格転嫁の動きが進んでいる。消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比0.9%と4ヵ月連続のプラスとなっている。
ただし、世界経済の回復に伴う需要拡大から上昇傾向にあった国際商品市況は、米中貿易摩擦の激化による世界経済への先行き懸念から頭打ちとなっている。前年比でみた素原材料は伸び率が鈍化することで、先行きは川上から川下への上昇圧力が弱まってくると見込まれる。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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白波瀨 康雄
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(2018年09月13日「経済・金融フラッシュ」)
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