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ESG投資に日本企業はどのように対峙すべきか?
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一橋大学大学院 商学研究科 加賀谷 哲之
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とはいえやみくもにESGに関わる取り組みを実践すればよいというわけではない。企業はESGに関わる取り組み以前に、投資家をはじめとする資金提供者から受託した資金を最大化することを求められるためである。オックスフォード大学のクラーク教授は2015年にESGに関わる200を超えたアカデミック・ペーパーをまとめている。これによれば、資本コストに関する研究の約90%は、優れたESG活動と資本コストは負の相関関係に、将来の事業業績に関する研究の約88%は、優れたESGと将来の事業業績が正の相関関係に、さらに株価に関する研究の約80%は、優れたESGと株価水準が正の相関関係にあることを示している。一方で、これらの研究成果はESGと企業価値との相関関係を示しているだけであり、すなわち優れた業績を上げている企業は、ESG活動にも資源を割く余裕があり、結果としてESG活動と企業価値の間に相関があるように見えているという可能性もある。こうしたことから、ESG活動と企業価値との関係性を検討するためには、ESGがどのような経路で企業価値に結びつくかを検討する必要がある。ケンブリッジ大学のディムソン教授は、 (1)顧客ロイヤリティーの向上や製品・サービス差別性の増大、 (2)従業員満足度の向上、(3)特定投資家の獲得、(4)企業の規律付けの改善の4つの経路を通じて、持続的な企業価値創造に結びつくと説明している(図表1)。
【参考文献】 Clark, Gordon L., Andreas Feiner, and Michael Viehs. "From the stockholder to the stakeholder: How sustainability can drive financial outperformance." (2015).Working Paper. Oxford University. Dimson, Elroy, Oğuzhan Karakaş, and Xi Li. "Active ownership." The Review of Financial Studies 28, no. 12 (2015): 3225-3268.
(2018年05月07日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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2018/05/07 | ESG投資に日本企業はどのように対峙すべきか? | 加賀谷 哲之 | ニッセイ年金ストラテジー |
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