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- 【3月米FOMC】予想通り、政策金利を0.25%引き上げ。18年の年3回利上げ見通しは維持
2018年03月22日
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4.会見の主なポイント(要旨)
記者会見の主な内容は以下の通り。
- 金融政策変更、政策金利見通し
- 今回決定した政策金利の引き上げは、これまで数年に亘り続けてきた金融政策の正常化の一環である。
- (18年の利上げ回数が年4回にならなかった理由について)中央値で示される政策金利見通しは、あくまでFOMC参加者個人の見通しを集計したものに過ぎない。年3回と年4回の見通しの差は大きくない。見通しは時間の経過とともに変化するものである。
- 今回のFOMC会合で決定したのは、0.25%の引き上げだけであり、それ以外の決定はしていない。
- 金融政策の意思決定に中間選挙は関係ない。金融政策目標を達成することだけに集中する。
- (超過準備に付利することに対する批判について)現在の金融政策の枠組みは上手くいっている。長期的な枠組みとして続けていくのかは何も決めていない。付利は金融機関が市中で得られる水準を超えていないため、補助金との批判は間違った認識である。
- 経済見通し、財政政策の影響
- 家計消費や民間設備投資の伸びは鈍化しているものの、ここ数ヵ月で経済見通しは強くなっている。拡張的な財政政策、雇用増加が所得や信頼感を改善させること、海外経済が底堅いこと、金融環境が全般的に緩和的であることも経済見通しをサポート。
- (減税などの税制改革によっても長期的に成長率が3%に達しない理由について)3%成長は、現状での潜在成長率見通しを大幅に上回っている。それが実現するには生産性と労働参加率が大幅に上昇する必要がある。
- 一般的に、企業向けの減税は設備投資を促し生産性を引き上げるほか、個人向けの減税は労働市場への参入を促すため、労働参加率を引き上げるとは言える。
- 通商政策の影響
- 関税などの通商政策の変更について、現段階で経済見通しに織り込んでいない。実業界からは懸念する声がでているのは承知している。
- 通商政策はFRBの管轄ではないため、通商政策についてコメントしたくない。
- その他
- 現在4回の記者会見の回数を増やすかは検討する。
5.FOMC参加者の見通し

一方、19年以降は19年(2.69→2.88%)、20年(3.06→3.38%)、長期(2.75→2.88%)とそれぞれ上方修正された(図表2)。この結果、19年は年3回(+0.75%)の政策金利の引き上げ予想となった。
なお、20年の政策金利見通しが長期の水準を超えているものの、パウエル議長は記者会見の中で、あくまで個人の予想を集計した結果であることや、3年先の見通しは非常に不確実であることに言及し、一時的に引締め政策を実施する可能性を否定した。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年03月22日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
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