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- 消費者物価(全国18年1月)-コアCPI上昇率は1%到達前に鈍化へ
2018年02月23日
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1.コアCPI上昇率は前月と変わらず

生鮮食品及びエネルギーを除く総合は前年比0.4%(12月:同0.3%)と上昇率は前月から0.1ポイント拡大、総合は前年比1.4%(12月:同1.0%)と上昇率が前月から0.4ポイント拡大し、コアCPIの伸びを大きく上回った。これは天候不順の影響などから生鮮食品が12月の前年比4.8%から同12.5%へと上昇率が大きく高まったためである。
コアCPIの内訳をみると、電気代(12月:前年比6.7%→1月:同6.4%)、ガス代(12月:前年比4.3%→1月:同3.8%)、ガソリン(12月:前年比10.3%→1月:同8.8%)、灯油(12月:前年比16.5%→1月:同9.6%)の上昇幅がいずれも縮小したため、エネルギー価格の上昇率は12月の前年比7.7%から同6.7%へと縮小した。
2.物価上昇品目数が増加

上昇品目数の割合は16年秋頃の水準まで高まり、物価上昇に一定の裾野の広がりが出てきたことを示すものとなっているが、これは既往の円安、原油高による輸入物価上昇の影響が大きいと考えられる。足もとでは円高が進んでいるため、先行きは物価上昇品目数が減少に向かう可能性が高いだろう。
3.コアCPI上昇率は1%到達前に鈍化へ
コアCPI上昇率の半分以上はエネルギー価格の上昇によるものだが、日銀が基調的な物価変動を把握するために重視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」も前年比0.4%と12月の同0.3%から上昇率が高まり、基調的な物価にも改善の兆しもみられる。また、景気回復に伴う需給バランスの改善は引き続き物価の押し上げ要因となることが見込まれる。

この結果、コアCPI上昇率は1%到達前に鈍化し、1%台となるのは18年後半までずれ込むことが予想される。
なお、本日公表された全国18年1月分から公表時期が従来よりも1週間早まった(「26日を含む週の金曜日」→「19日を含む週の金曜日」)。ただし、東京都区部の中旬速報値の公表時期は従来と変わらないため、全国と同時に翌月の東京都区部の結果を知ることはできなくなった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年02月23日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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