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2018年01月26日
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1.17年の中国経済の振り返り

産業別に見ると、17年の第1次産業の実質成長率は前年比3.9%増と16年の同3.3%増を0.6ポイント上回った。第1次産業としては極めて高い伸びを実現したが、その維持は徐々に難しくなるだろう。第2次産業の実質成長率は同6.1%増と16年の同6.3%増を0.2ポイント下回った。2010年の同12.7%増をピークに伸びが鈍化、15年の株価急落時には景気減速の主因となったが、16年には同6.3%増、17年には同6.1%増とほぼ横ばいの伸びを維持している。また、第3次産業の実質成長率は同8.0%増と16年の同7.7%増を0.3ポイント上回った。5年連続で第3次産業の実質成長率が第2次産業を上回ることとなり、中国経済の牽引役は第3次産業へと移行してきた(図表-2)。
2|供給面
工業生産(実質付加価値ベース、一定規模以上)の動きを見ると、17年は前年比6.6%増と16年の同6.0%増を0.6ポイント上回った。2011年以降、工業生産は6年連続で前年の伸びを下回ってきたが、その鈍化傾向には歯止めが掛かった(図表-4)。また、業種別の内訳を見ると、鉱業が前年比1.5%減、鉄精錬加工が同0.3%増と全体を押し下げる要因となった一方、コンピュータ・通信・その他電子設備は同13.8%増、自動車は同12.2%増と全体を押し上げる要因となった(図表-5)。過剰生産設備を抱える石炭や鉄鋼などが引き続き足かせとなっているものの、情報通信や自動車などが新たな牽引役となってきており、今後もこの傾向が持続するのか注目される。
工業生産(実質付加価値ベース、一定規模以上)の動きを見ると、17年は前年比6.6%増と16年の同6.0%増を0.6ポイント上回った。2011年以降、工業生産は6年連続で前年の伸びを下回ってきたが、その鈍化傾向には歯止めが掛かった(図表-4)。また、業種別の内訳を見ると、鉱業が前年比1.5%減、鉄精錬加工が同0.3%増と全体を押し下げる要因となった一方、コンピュータ・通信・その他電子設備は同13.8%増、自動車は同12.2%増と全体を押し上げる要因となった(図表-5)。過剰生産設備を抱える石炭や鉄鋼などが引き続き足かせとなっているものの、情報通信や自動車などが新たな牽引役となってきており、今後もこの傾向が持続するのか注目される。
(2018年01月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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